昨日聴いたレコードのB面には、気分が乗らない今の私にピッタリのベートーヴェンの交響曲第7番が収録されていました。
二日続けてスッキリしない朝を迎えているのは、睡眠の質の問題なのかもしれません。
そんな時にこそ「ベトシチ」ですよね。
テレビドラマ「のだめカンタービレ」(フジテレビ)のオープニング曲として使用されていた曲なので、ベートーヴェン「交響曲第7番」をご存知の方は多いはず。
曲名は知らなくても、聴けば「ああ、この曲知ってる!」となるでしょう。「のだめカンタービレ」を観ていない若い世代の人は、VODかテレビCMで聴いたことがあるかもしれませんね。
今回もカラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏でリフレッシュ&気分転換しました。
■カラヤン/ベートーヴェン「交響曲第4&7番」
- 指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
- 演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
- Deutsche Grammophon
- 発売元:Polydor International GmBH【415 121-1]】
ベートーヴェン作曲「交響曲第7番」とは

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが交響曲第7番の制作に取り掛かったのは1811年(文化8年)のこと。完成は1812年(文化9年)に入ってからです。
交響曲第7番の初演は1813年(文化10年)12月8日にウィーンで行なわれました。作曲者であるベートーヴェン自身が指揮を務めています。
初演は成功と言っても間違いではないようです。第2楽章のアンコールを受けていますから。
しかし同じ日に初演を迎えたベートヴェン作品「ウェリントンの勝利」の方が評判がよく、大成功しています。こちらの指揮もベートーヴェン自身が行なっています。興味深いのはアントニオ・サリエリ(カペルマイスターでヨーロッパ楽壇のトップ)が、副指揮者(砲手・太鼓奏者のため)として演奏に参加していたことです。
アントニオ・サリエリはモーツアルトと対立したことで有名です。映画「アマデウス」では主人公として描かれています。
ベートーヴェンはサリエリと良い関係を築いていて、彼から作曲方法などの指導を受けています。
交響曲第7番に対する音楽家たちの評価は賛否両論あったようです。
リヒャルト・ワーグナーは絶賛していますが、「魔弾の射手」の作曲者カール・マリア・フォン・ウェーバーはベートーヴェンの精神状態を揶揄したともとれる酷評を残しています。
ベートーヴェンの交響曲第7番の演奏時間については、時代や指揮者によって差があるようです。
ベートーヴェンの作品が古典派音楽以前の音楽や古楽器の研究の対象になる以前は、第1楽章~第4楽章まで約42分間前後で演奏さることが多かったようです。ベートーヴェンによる演奏速度(メトロノーム)の指示が「早すぎる」と受け止められていたんですね。
ちなみに今回聴いたレコードで、カラヤンとベルリン・フィルハーモニー管弦楽団は約35分間で演奏しています。疾走感を感じます。
私の耳はこれに慣れていますから、42分間で演奏される交響曲第7番は「遅くて退屈」に感じてしまうかもしれません。
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンとは

ベートーヴェンについては『すぐわかる!ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンとは|その生涯と作品たち』をご参照ください。

わたなびはじめの感想:ベートーヴェン「交響曲第7番」について

ジャケット裏面のカラヤンの指揮をする姿、カッコいいですよね。
カラヤンに限らず、歳をとってもカッコいい男性っていますけど、どうやったらそうなれるのかな?
- スタイル?
- 洋服のセンス?
- 何かに打ち込んできた実績?
- 自分独特のこだわり?
- 社会的ステータス?
正直なところよくわかりません。私の場合、スタイルも服装もイケてないので、独自のこだわりを持つのもありかなと。ですがこれも「嫌われる男性と紙一重」ですよね。
せっかくベートーヴェンの交響曲第7番を聴いていい気分になったのに、余計なことを考えてしまいました。
ここからは交響曲第7番の感想を各楽章ごとにお伝えします。
■第1楽章
始まりからワクワク感を予感させます。第1主題の提示はフルートが担当しています。フルートの見せ場はステキ。
間もなく疾走感のあるテンポに引き込まれてしまいそうに。はやる気持ちをなだめるように、盛り上がりと落ち着きが交互にやってきます。
3分半を過ぎた頃から、あの有名なフレーズが。4分頃には音が華々しく咲き乱れるような瞬間が訪れます。
その後もワンパターンにならないようにドラマチックな楽曲構成がされています。ラストは迫力と共に華麗に終わります。
■第2楽章
ウィーンで行なわれた初演でアンコールされたという第2楽章。物憂げな沈んだムードで始まります。
華々しさとは対極にりながら、美しく感じるのですからベートーヴェンはスゴイと感じずにはいられません。
初演を聴いた音楽の都・ウィーンの聴衆は耳が肥えていたのでしょう。今聴いてもうっとりしましたけれど、アンコールで聴きたいのは第1か第4楽章かな(私の場合)。
終盤になると音量が増し、荘厳な雰囲気を纏(まと)う場面も。最後は静かに終わっていきます。
■第3楽章
第2楽章とは雰囲気をガラリと変える第3楽章。少しコミカルな要素も見え隠れします。
ホルンがのどかな牧歌的な風景を感じさせてくれます。その後は、落ち着いたリズムのまま盛り上がり、静寂へ。
明るいオープニングが繰り返されます。徐々にテンポアップしていき、勢いが伴いだします。そしてホルンののどかな風景が。これらが繰り返されます。
ラストはあっさりと終わります。
■第4楽章
これまでに無い疾走感と颯爽とした勢いのある旋律が吹き抜けます。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団がこれでもかというくらいに熱く訴えかけてくるかのようです。
例え寝起きでまだ眠さが残っていても、多少気分が重くても、この楽章が吹き飛ばしてくれそうなほどの推進力を持っています。中盤以降は怒濤(どとう)の勢いで音の波が押し寄せては引いていく感じに。
ラスト1分の聴きごたえは満点です。終わり方が颯爽としていてカッコいい!
だいぶ前のことですが、コンサートでベートヴェン「交響曲第7番」を聴く機会がありました。2009年(平成21年)1月3日に東京文化会館で行なわれた東京都交響楽団のニュー・イヤー・コンサートでした。指揮は大友直人さん。生で聴くベートーヴェンの交響曲第7番も良かったです。
この交響曲は大好きで、私にとって身近な存在になっています。
今回はレコードで楽しみましたが、カラヤンがベリリン・フィルとすばらしい録音を残してくれたことに感謝せずにはいられません。
あなたにとって、ベートーヴェンの交響曲第7番はどんな存在になりそうですか?
まとめ
- 初演は成功したが、「ウェリントンの勝利」の方が大成功。
- 全体的に明るい交響曲だが、第2楽章の物憂げな感じも魅力的。
- 畳みかけるような音の波を浴びて、気分がスッキリしそう!
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