今年2020年(令和2年)は、ベートーヴェン生誕250年。
ベートーヴェンの楽曲は、コンサート・演奏会などで例年以上に演奏される機会が増えることでしょう。とはいえ、すでに日本国内でのコンサートではモーツァルトと人気を二分しているといっても過言ではないベートーヴェン。
普段通りの生活環境に戻りさえすれば、例年よりも多くベートーヴェン作品を楽しむ機会に巡り合えそうです。
新型コロナウィルスの感施拡大で、大規模集会やコンサート等が延期・中止されたりしています。
自分自身も注意するとともに、不安のなかにいる方々が一日も早く平穏な生活を取り戻すことができるように願っています。
私の生まれ故郷でも亡くなられた方がいると報道されていました。
新型コロナウィルスにより亡くなられた方のご冥福を祈るとともに、ご家族、ご親族の皆さまにお悔やみ申し上げます。
今回は2020年2月11日に購入した中古レコードで、ベートーヴェンの交響曲第8番を楽しんでみることにしました。あれやこれやと過ごしているうちに、購入したから2週間ほど経ってしまいました。
まずは、レコードの収録内容をご紹介します。
A面にはベートーヴェンの交響曲第8番が第1~第4楽章まで収録されています。B面はベートーヴェンの3つの序曲が収められています。
■B面
- コリオラン序曲
- 歌劇「フィデリオ」序曲
- レオノーレ序曲第3番
■カラヤン/ベートーヴェン「交響曲第8番」,コリオラン序曲,歌劇「フィデリオ」序曲,レオノーレ序曲第3番
- 指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
- 演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
- グラモフォンレコード
- 発売元:ポリドール株式会社【28MG 4558[415 507-1]】
ベートーヴェン作曲「交響曲第8番」とは

ベートーヴェン「交響曲第8番」は演奏時間は短めの交響曲です。今回のレコードにおける「交響曲第8番」の収録時間は次のような感じです。
- 第1楽章 8分56秒
- 第2楽章 4分00秒
- 第3楽章 5分59秒
- 第4楽章 7分08秒
全部で26分程の演奏時間です。
ベートーヴェンの交響曲第8番は1812年(文化9年)に作曲されました。
交響曲第8番は1814年(文化11年)2月27日、ウィーンの大レドゥーテンザールにて第7番などと一緒に初演されています。しかし交響曲第7番に対する人気の方が高かったために、ベートーヴェンはご立腹…
さらに、ベートーヴェンは全部で9つの交響曲を作曲していますが、この第8番だけが唯一誰にも献呈されていないというのも興味深いところです。
これらから推察できることとしては、ベートーヴェン自身は第8番をかなり気に入っていたということ。もちろん、私の憶測にすぎませんが…
レコードに同封されているリーフレット(ライナーノーツ)には次のような解説が載せられています。
『前述のウィーンにおける初演では、交響曲第8番は、それに先立って演奏された第7番に比べると、あまり大きな反響を呼ばなかったようである。ツェルニーによれば、ベートーヴェンは、「第8番のほうが第7番よりずっとすぐれているからこそ」、このことにえらく腹を立てたという。』
出典:ベートーヴェン「交響曲第8番」【28MG 4558】ライナーノーツより
著者:シュテファン・クンツェ 訳者:歌崎和彦
ベートーヴェン自身の評価と聴き手の評価がかみ合わなかったというのは、仕方のないことなのかもしれません。聴き手側に作曲者の意図を汲み取る力量が無かったのかもしれません。もしくは、初演時の交響曲第7番の演奏自体が非常にすばらしかったのかもしれません。
ですが、その後も交響曲第8番はベートーヴェン作品の中ではあまり目立たない存在になっている気がしてなりません。
優れた作品を数多く作曲したベートーヴェンだからこそ、すばらしい作品であっても他作品の陰に埋もれてしまうこともあるということでしょうか。
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンとは

ベートーヴェンについては『すぐわかる!ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンとは|その生涯と作品たち』をご参照ください。

わたなびはじめの感想:ベートーヴェン作曲「交響曲第8番」について

好みの問題ですが、私はベートーヴェンの交響曲第8番をそれほど頻繁に聴いているわけではありませんでした。普段よく聴くベートーヴェンの交響曲は次の3曲です。
- ベートーヴェン「交響曲第4番」
- ベートーヴェン「交響曲第5番 運命」
- ベートーヴェン「交響曲第7番」
ベタと言われても仕方がないのですが、好きなんですよね~
今回、ベートーヴェン「交響曲第8番」を聴いてみて、あらためて爽やかで心が軽くなるような印象を感じました。
ここからはベートーヴェン「交響曲第8番」の感想を各楽章ごとにお伝えします。
■第1楽章
のっけから華々しいトゥッティ(合奏といった意味)で始まります。伸び伸びとしていて、元気が湧き出てくるようです。
流麗な旋律を力強いリズムがしっかりと支えている感じです。ドラマチックに高みを目指すかのごとし!
■第2楽章
第2楽章は展開部のないソナタ形式といったところでしょう。第1楽章よりは控えめな感じにまとまっています。
短いながらも、テンポよくリズムが刻まれています。
「ソナタ」とは、ベートーヴェンやハイドン、モーツァルトが活躍した古典派と呼ばれる時代に発展した演奏形式のひとつ。
通常の構成としては「序奏・提示部・展開部・再現部・終結部」で成り立っていて、二つの主題が提示部と再現部で表現されるよ。
■第3楽章
いきなり元気のよいメヌエット(舞曲のひとつ)で始まります。最初にインパクトが込められている感があります。
疾走感と優雅さと壮麗さが同居しているかのようです。
■第4楽章
前半はソナタ形式のようなロンド形式です。
劇的な音による畳み込みを味わいますが、部分的に優雅な旋律で癒されます。これの繰り返しで、クライマックスに突き進みます。
同じ旋律が何度も繰り返されますが、その合間に違った旋律も組み込まれている形式のことだよ。
「どうしてこれまで、第8番を聴こうとしなかったの?」
ベートーヴェンの交響曲第8番を聴き終えて感じた率直な気持ちです。自分の選曲傾向がいかに偏っていたのかを痛感しました。
これからは、ベートーヴェンのよく聴く交響曲リストに追加します!
カラヤンとベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の方々も、気持ちよく演奏されていたのではないでしょうか?バランスが取れて完成された感じの演奏は、聴きやすくて違和感を感じません。ハズレ感のない1枚です。
ベートーヴェン「交響曲第8番」は、ちょっぴり気が重い日の移動中に聴くのもいいかもしれません。
さらにこのレコードのピンクメタリックのジャケットもカッコ良くないですか?このシリーズは色は違えど、このようなジャケットで統一されているので揃えたくなります!
もしも、あまり聴いたことがないなら、あなたも1度「交響曲第8番」を聴いてみてはいかかでしょうか?
まとめ
- ベートーヴェン交響曲第8番は心が解放されるような元気な曲。
- カラヤンとベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏の完成度が半端なし!
- 今まであまり聴かなかったことを後悔する作品。
■関連CDのご案内です。
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