J・S・バッハ作曲の「トッカータとフーガ ニ短調 BWV565」の冒頭部分を聴くと思い出す懐かしい歌声...
「チャラリ~鼻から牛乳」。
幼い頃にテレビでよく観ませんでしたか?どうしてもあの歌詞が頭から離れないのです。
とはいえ、あれから数十年。50歳を目前にしたいいおじさんなので、新たな気持ちで名曲に向き合ってみようと思います。
鈴木雅明氏のCD「トッカータとフーガ ニ短調/バッハ・オルガン名曲集」で楽しんでみました。
■トッカータとフーガ ニ短調 鈴木雅明/バッハ・オルガン名曲集
- オルガン:鈴木雅明
アンゲルミュンデのマリア教会(ドイツ) - ROMANESCA【KICC 193】
- 発売元:キングレコード株式会社
J・S・バッハ「トッカータとフーガ ニ短調 BWV565」とは

J・S・バッハが「トッカータとフーガ ニ短調 BWV565」を作曲したのは1704年(元禄16年)頃と考えられています。バッハは1685年(貞享2年)生まれなので、20歳前後の作品ということになります。
「トッカータとフーガ ニ短調 BWV565」はトッカータがフーガを従えている感じの楽曲で、バッハのオルガン曲の中でも人気の高い作品です。
劇的な始まり方で、そのインパクトは絶大です。
トッカータと呼ばれる部分は最初の数分だけで、その後は厚みのある音量とスピード感ある旋律で厳かに進みます。
「トッカータとフーガ ニ短調 BWV565」にはいくつかの説があります。
- もとはヴァイオリン曲で、その後オルガン用に編曲された説。
- 作曲者がバッハではないんじゃないか説。
おそらくこれらの説の原因は、資料が不足していることが関係しているのでしょう。
バッハ自身の手書きによるの譜面が残っておらず、筆写譜しか見つかっていないようです。
年齢が中年よりも上の方は、嘉門達夫さんの「鼻から牛乳」がすっかりインプットされているのではないでしょうか?
とはいっても、「トッカータとフーガ ニ短調 BWV565」の冒頭部分以降を聴いたことのない方もいらっしゃるはず。
荘厳さが多少怖さに感じるかもしれませんが、美しい楽曲です。
J・S・バッハとは

18世紀にドイツで活躍した音楽家ヨハン・セバスティアン・バッハ(J・S・バッハ)については、『すぐわかる!J・S・バッハとは|「音楽の父」「ドイツ3大B」の生涯について』をご参照ください。

わたびはじめの感想:J・S・バッハ「トッカータとフーガ ニ短調 BWV565」について

ここからは『トッカータとフーガ ニ短調 鈴木雅明/バッハ・オルガン名曲集』に収録されている、J・S・バッハ作曲「トッカータとフーガ ニ短調 BWV565」の感想をお伝えします。
※【 】は、今回聴いたCDでの演奏時間です。
■「トッカータとフーガ ニ短調 BWV565」【7分54秒】
衝撃的な冒頭部分。音が階段を転がり落ちるような場面や、悲劇の前触れのような旋律が続きます。激しく鍵盤の音色が揺さぶられ、緊迫感を感じます。
演奏開始から2分30秒くらいまでがトッカータ部分ですね。
フーガに移ったのちも疾走感があり、それでいて厳かさを常に維持しているかのようです。パイプオルガン特有の威圧感(圧倒されるような感じ)が伝わってきます。(もちろん、良い意味で。)
終盤には音の粒がパチパチと弾けつつ畳みかけるような場面が登場し、その後ゆったりしたムードに変化しフィナーレを迎えます。
「トッカータとフーガ ニ短調 BWV565」を最後まで聴き終えると「鼻から牛乳」は頭から離れ去り、パイプオルガンの音色によるシャワーを浴びたような気持になりました。
旋律は明快な気がしますが、音による装飾変化が激しいため、飽きのこない作品です。むしろ、引き込まれていく感じがすると思いますよ!
「トッカータとフーガ ニ短調 BWV565」を最後まで聴いてみると、これまでとは違った印象を受けて、「鼻から牛乳」のイメージが上書きされそうです。

まとめ
- 「カータとフーガ ニ短調」が20歳前後で作曲したと考えられている楽曲。
- バッハのオルガン曲の中で人気の高い曲。
- ある一定の年齢層には、冒頭部分を聴くと「鼻から牛乳」の記憶が甦るかも?
■関連CDのご案内です。
↓