バイオリンで聴く「アヴェ・マリア」も大変美しくて魅力的です。
バイオリニスト・川畠成道氏の「ザ・ベスト -10th Anniversary-」に収録されている「アヴェ・マリア」は、厳かで清らかな心揺さぶられる音色で感情に染み込んできます。
「アヴェ・マリア」についての簡単な説明は、『J・S・バッハ/グノー作曲/サバティーニ編曲「アヴェ・マリア」|L・プライス&カラヤン&ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団』でお伝えしています。
そこで今回は、声楽曲とは違ったヴァイオリン演奏による「アヴェ・マリア」の魅力をお伝えします。
■川畠成道「ザ・ベスト」-10th Anniversary-
- ヴァイオリン:川畠成道
- ピアノ:ロデリック・チャドウィック
- ビクターエンタテインメント【VICC-60664】
アヴェ・マリア(グノー作曲)とは

グノーおよび「アヴェマリア」については、『J・S・バッハ/グノー作曲/サバティーニ編曲「アヴェ・マリア」|L・プライス&カラヤン&ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団』をご参照ください。

わたなびはじめの感想:川畠成道(vn)「アヴェ・マリア」(J・S・バッハ/グノー曲)について

ここからは『川畠成道「ザ・ベスト」-10th Anniversary-』に収録されている「アヴェ・マリア」(C・グノー作曲/G・サエンゲル編曲)の感想をお伝えします。
※【 】は、今回聴いたCDの演奏時間です。
■アヴェ・マリア(C・グノー作曲/G・サエンゲル編曲)【5分08秒】
静かで音の粒が弾けるようなピアノの前奏で始まります。そこに聴き心地のよいヴァイオリンの音色が加わり、アヴェ・マリアの旋律を奏で始めます。
個人的なイメージとしては、次のような光景が脳裏に浮かんできました。
心地よい休日の朝
ガラスの窓を開け放ち
椅子に深く腰掛けてまどろみつつ
音楽に耳を傾けている
心理的には、理想のリラックス状態に突入した感がありました。(もちろん、私の個人的な理想の世界ですけれど...)
高音もキンキンせずに、自然に流れてくるような心地よさがあります。
伸びやかでやさしい、慈しみにも似た印象。それでいて、どこか切なさを包み込んでいるようなヴァイオリンの響きが、心に染み込んでくる名演奏だと思います。
少し語弊のある表現で申し訳ないのですが、私はもともとオペラ歌手の歌い声が得意な方ではありません。歌声から伝わってくる「キンキンしている感じ」や「圧迫感」を苦手にしているのかもしれません。
オペラ歌手の歌声に対する苦手意識も、歌い手さんによるのだと思います。先日ご紹介したレオンティン・プライス(ソプラノ)の「アヴェ・マリア」は違和感なく聴けたので。
というより、とても素晴らしかったです!
それはともかく、今回のヴァイオリンによる「アヴェ・マリア」には、歌声で表現されるのとは違った魅力を感じます。ピアノも含めてとにかくやさしい響きなのです。
川畠成道氏の切なる願いが込められているような、気持ちが音色に反映されているような、何とも表現しがたい美しさを持っています。
「日々の喧騒から解放されて、心が穏やかになれる」そのような演奏でした。
まぁ、ヴァイオリン好きの偏った評価かもしれないけれど...

まとめ
- 川畠成道氏のヴァイオリンがやさしく、少し切なく、心に染み込んでくる名演奏。
- やさしさ、せつなさ、慈しみが同居しているような演奏。
- 個人的には、これまでに聴いた「アヴェ・マリア」で一番好きな作品。
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