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ワーグナー 楽劇「トリスタンとイゾルデ」第1幕への前奏曲&イゾルデの愛の死|カラヤン&ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

ワークナー 楽劇「トリスタンとイゾルデ」第1幕への前奏曲&イゾルデの愛の死
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トリスタンとイゾルデ」はワーグナーが台本&作曲した楽劇(オペラ)です。

若い世代の方たちは、クラシック音楽やオペラに対する興味・関心が低いかもしれませんね。

ですが、オペラには興味がなくても「トリスタン」という名前には聞き覚えがあるのではないでしょうか?トリスタンは「アーサー王伝説」や「Fateシリーズ(FGOなど)」に東京するキャラクターでもありますから。

今回はワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」から次の2曲をご紹介します。

  1. 第1幕への前奏曲
  2. イゾルデの愛の死

■カラヤン / ワーグナー管弦楽作品集

  • 指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
  • 演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  • ドイツ・グラモフォン カラヤン・ゴールドシリーズ
  • 発売:ポリドール株式会社【POCG-9510】

楽劇「トリスタンとイゾルデ」とは

ワークナー「トリスタンとイゾルデ」

楽劇「トリスタンとイゾルデ」は、リヒャルト・ワーグナーが作曲した楽劇です。上述しましたが、ワーグナーは作曲だけでなく台本も手掛けています。

全3幕で構成されていて、上演時間は約4時間。同じくワーグナーの楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」も同じくらいの長さでしたね。

楽劇「トリスタンとイゾルデ」が作曲されたのは、1857年(安政4年)から1859年(安政6年)にかけてです。作曲された期間は、ワーグナーが政治犯としてスイスに逃亡していた時期に重なります。

楽劇「トリスタンとイゾルデ」は愛がテーマの作品ですが、結末は悲劇です。音楽的な側面としては、「トリスタン和音」と呼ばれる特徴的な和音が用いられています。

楽劇「トリスタンとイゾルデ」の着想は、トリスタン伝説に基づいています。「トリスタンとイゾルデ」にまつわるお話は、10世紀末頃ににケルト伝説から生まれたと言われています。

トリスタンとイゾルデのあらすじ

グラストンベリー修道院グラストンベリー修道院

物語は船上ではじまります。乗船しているの主要人物は、マルケ王のもとに嫁ぐことになっているアイルランドの王女イゾルデと、舵を取っているマルケ王の甥トリスタンです。

イゾルデは水夫が口ずさむ歌に祖国アイルランドに対する侮辱を感じて憤慨します。そんな王女をなだめるのは侍女のブランゲーネです。

イゾルデは舵を取っているトリスタンに挨拶に来るよう侍女を遣わします。気の向かないトリスタン。さらにはトリスタンの従者が、イゾルデのかつての婚約者(モーロルト)をトリスタンが殺したことを歌ったために王女の機嫌は悪くなるばかりに…

しかし意外な過去が披露されます。トリスタンがモーロルトを討ったのは決闘によるもので、モーロルトがコーンウォールに対して朝貢を要求したことに端を発していました。トリスタンは、コーンウォールの騎士でした。その決闘でモーロルトは死に、トリスタンは深い傷を負います。

トリスタンはイゾルデの治療薬の効き目を知り、名を偽って治療を頼むのでした。イゾルデはトリスタンの偽名に気付き婚約者の仇討ちをしようとも考えましたが、トリスタンの哀れな姿を見て心を変えます。自国コーンウォールに戻ったトリスタンは、マルケ王にイゾルデとの結婚を勧めたのでした。

その結果、船でコーンウォールに向かうこととなったイゾルデは、侍女に毒薬を用意させるのです。

船が陸に近づきましたが、イゾルデは上陸を拒否します。条件としてトリスタンの謝罪を求めるのでした。

ようやくイゾルデの前に姿を現したトリスタンに、王女は怒りや恨みをぶつけます。トリスタンはイゾルデに剣を差し出し、自らの命を差し出すのでした。

仇討のチャンスを得たイゾルデでしたが、トリスタンに手を下せずに戸惑います。そこに侍女が「和解薬」と称する薬をトリスタンに渡します。

それが毒であると覚悟しつつ、トリスタンは薬を口にします。イゾルデはその薬の入った器を奪い取り、自身も死のうとします。

ところが…

その薬は毒ではなく、「惚れ薬」だったのです。トリスタンとイゾルデの心は愛で燃え上がります。

コーンウォール城でマルケ王の留守中にトリスタンとの密会を期待するイゾルデ。愛を確認するトリスタンとイゾルデのもとに、マルケ王が従臣たちと共に乗り込んできます。トリスタンとイゾルデのあってはならない愛の現場を押さえられてしまいます。

裏切りを問い詰めるマルケ王に対して、トリスタンは返す言葉もありません。イゾルデに夜の国への逃亡を持ちかけますが、家臣に切りつけられて傷を負います。

気を失っていたトリスタンは、自身の従僕によって居城に連れ戻されていました。意識を取り戻すトリスタンでしたが、傷は悪化してしまいます。トリスタンの従僕は、イゾルデに治療の依頼を送っていました。

トリスタンはイゾルデに想いを馳せます。そしてイゾルデが船で戻ってくる姿を想像します。

驚いたことに、イゾルデは実際に戻ってきたのです。イゾルデの名を呼ぶトリスタン。イゾルデは傷ついているトリスタンを抱きかかえます。

ところが、トリスタンは力尽きて息を引き取ります。ショックを受けたイゾルデは気を失ってしまいます。

その頃、マルケ王もトリスタンとイゾルデの仲を許すために後を追ってきていました。しかし、二人の姿を見て愕然とします。

意識を取り戻したイゾルデでしたが、「愛の死」を歌い息を引き取るのでした。

リヒャルト・ワーグナーとは

すぐわかる!リヒャルト・ワーグナーとは

19世紀ドイツで楽劇王と呼ばれたリヒャルト・ワーグナーについては、『すぐわかる!リヒャルト・ワーグナーとは』をご参照ください。

すぐわかる!リヒャルト・ワーグナーとは
すぐわかる!リヒャルト・ワーグナーとはリヒャルト・ワーグナーは19世紀のドイツを代表する作曲家であり指揮者です。ワーグナーの代名詞と言えば、やはり「歌劇」。「楽劇王」と呼ばれるほどの存在です。ここでは音楽家リヒャルト・ワーグナーの生涯をわかりやすくご紹介します。...

わたなびはじめの感想:楽劇「トリスタンとイゾルデ」第1幕への前奏曲&イゾルデの愛の死について

ワークナー「タンホイザー序曲」

トリスタンとイゾルデは悲しいお話ですね。主人公の二人の心境を想像して感情移入してしまいますが、イゾルデの侍女の気持ちもさぞ複雑なものだったことでしょう。

ここからはヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が演奏する楽劇「トリスタンとイゾルデ」の第1幕への前奏曲とイゾルデの愛の死の感想をお伝えします。
【 】は今回聴いたCDの演奏時間です。

■「第1幕への前奏曲」【12分21秒】

「第1幕への前奏曲」は、不吉な予感と不安を感じさせる雰囲気ではじまります。ゆったりとしたテンポではありますが、音の膨らみで幻想的に演出されています。

トリスタンとイゾルデの物語を暗示しているのでしょう。ロマンティックな幻想を抱かせますが、二人の禁断の愛と悲しい結末を予感させます。

やはりワーグナーだなと感じさせられます。テンポは決して速くはありませんが壮大さを感じます。それを表現しているカラヤンとベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏もすばらしいです。

■「イゾルデの愛の死」について【7分16秒】

今回ご紹介している「イゾルデの愛の死」は管弦楽による演奏です。

「イゾルデの愛の死」からは、全てを包み込むようなやさしさを感じることができます。まさにトリスタンとイゾルデの思い出が走馬灯のように紡がれていくようです。

曲の中盤では盛り上がりをみせたあと、少し小刻みなテンポに変わり、愛する人のもとに小走りしているような感じになります。雄大な音の塊に包み込まれるようです。

最後はゆっくりと全ての物語が終わったことを告げるようにして終わります。

わたなびはじめ
わたなびはじめ
トリスタンとイゾルデの物語は別として、「イゾルデの愛の死」を聴くシーンを考えてみたよ。
そうだね~、何かをやり遂げたあとに聴くと、満足感と気持ちを高めてくれそうだな!

「カラヤン / ワーグナー管弦楽作品集」について

ワーグナー管弦楽作品集

ワーグナー作品に苦手意識のある私ですが、「カラヤン / ワーグナー管弦楽作品集」をあらためて聴き直してみたところ、これまでとは違った印象を持つに至りました。

「カラヤン / ワーグナー管弦楽作品集」には、「タンホイザー」「ニュルンベルクのマイスタージンガー」「トリスタンとイゾルデ」の3作品の中から、管弦楽でよく演奏される曲が選ばれています。

「カラヤン / ワーグナー管弦楽作品集」自体がひとつの組曲形式の作品のようにも感じられて、とても聴きやすくなっています。

それぞれの作品のストーリーとは別に、自分のイメージを膨らませて楽しむこともできますよ。

今年はベートーヴェンに注目が集まる年ではありますが、ワーグナーの歌劇も映像を通じて楽しみたいと思いました。(ただ、上演時間の長い作品が多いですけどね…)

まとめ

ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」
  1. 悲劇のストーリーにマッチした雰囲気の2曲。
  2. 「カラヤン / ワーグナー管弦楽作品集」をひとつの組曲とみなして楽しむことができる。

■関連CDのご案内です。(ゴールドシリーズではありません。)
    

指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン、演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によるワーグナーの管弦楽曲集です。【CD】

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