国立西洋美術館で2002年(平成14年)に開催された「スペイン王室コレクションの美と栄光 プラド美術館展」で鑑賞した、スペインの画家フランシスコ・デ・ゴヤの「自画像」。
ゴヤが69歳ころの作品だったようです。
美術館ではあまり注意を払わって鑑賞しなかった気がしますが、図録をもとにあらためて振り返ってみようと思います。
フランシスコ・デ・ゴヤ作「自画像」とは

- 制作年:1815年
- サイズ:46.0 × 35.0cm
- 油彩、カンヴァス
この自画像を描いたころのゴヤは、すでに聴力を失っていました。
体格の良さを感じるね。
作品に描かれている頬や唇からは血色の良さが伝わってきます。少しだけ頭が左に傾いた姿で、表情からは焦り等は感じられず、穏やかさがにじみ出ているようです。
しかし、その眼差しからは生気と熱意があふれ出ていて、鑑賞者の視線を惹きつけます。
もう一度鑑賞の機会があれば、ゆっくりと向き合ってみたいですね。
黒い衣服の下には白地のシャツの襟もとが描き込まれています。背景は濃いめの茶色で、ゴヤの顔が浮かび上がってくるかのような効果を感じます。
「スペイン王室コレクションの美と栄光 プラド美術館展」の図録解説によると、ゴヤは複数枚自画像を遺しています。自画像ではない作品中に、自身の姿を描き込んだこともあるようです。
ゴヤの人生にはフランスとの独立戦争や妻との死別、失聴等の大変と思われる出来事もありました。
今回ご紹介しているゴヤの「自画像」からは、人生の酸いも甘いも知った画家のたどり着いた境地を感じる気がしてなりません。
フランシスコ・デ・ゴヤとは

フランシスコ・デ・ゴヤの生涯については、『すぐわかる!フランシスコ・デ・ゴヤとは』をご参照ください。

わたなびはじめの感想:フランシスコ・デ・ゴヤ「自画像」について

上述したように、2002年(平成14年)に国立西洋美術館で開催された「スペイン王室コレクションの美と栄光 プラド美術館展」で実物を鑑賞したときの印象は、あまり覚えていません。
今ほど自画像というジャンルに関心がなかったことも影響しているのでしょう。
プラド美術館展ではゴヤの作品が6点展示されていました。
スペインの偉大な画家ゴヤの作品を「もう少し丁寧に鑑賞しておけばよかった…」というのが正直な気持ちです。
最後に、いつものわたなび流の感想で終わります。
フランシスコ・デ・ゴヤ作「自画像」は、「美術館で鑑賞したい作品」です。
プラド美術館に実際に行って鑑賞することができたなら最高ですね!
まとめ
- 今回ご紹介しているのは、ゴヤ69歳頃の自画像。
- ゴヤは自画像を複数描いている。
- 自画像に描かれたゴヤの熱い視線が印象的。