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美しい日本の海!東山魁夷 「朝明けの潮」のための小下図1/20(10)|市川市東山魁夷記念館「東山魁夷 日本美の象徴」展より

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2019年(平成31年・令和元年)10月26日から2019年12月22日までの期間、市川市東山魁夷記念館では『東山魁夷 日本美の象徴』展が開催されていました。

この特別展は、東京国立近代美術館の特別協力のもと開催されたものです。

会期は前期・後期に分けられており、展示内容が一部入れ替えになっていました。

私が『東山魁夷 日本美の象徴』展について知ったのは、12月に入ってからだったため、観覧できたのは後期の展示作品のみでした。(残念です…)それでも、東山魁夷氏(以下、敬称略)の作品を観る機会に恵まれたことに感謝しています。

東山魁夷という日本画家は、生前において高く評価されていた画家の一人です。奈良・唐招提寺や皇室ゆかりの建物に作品を謹上していることからも、その偉大さをうかがい知ることができます。

私にとって東山魁夷の作品は、「白馬」や「道」のイメージしかありませんでした。その理由の一端は、皇室ゆかりの建築物に入る機会はありませんし、奈良の唐招提寺にも「ちょっと行ってくるね」などと行ける距離ではないことです。

それでも、唐招提寺と東山魁夷についてのテレビ番組や今回の展覧会で、その香りに触れることができました。

この記事では、『東山魁夷 日本美の象徴』展にて印象に残った作品のひとつ『「朝明けの潮」のための小下図1/20(10)』について感じたことをご紹介します。

関連する市川市東山魁夷記念館についての記事はこちらです。
『市川市東山魁夷記念館 ドイツ風建築物で落ち着けるスペースが魅力的』

わたなびはじめの感想:東山魁夷作「朝明けの潮」のための小下図1/20(10)とは

東山魁夷「朝明けの潮」のための小下図1/20(10)

■東山魁夷作「朝明けの潮」のための小下図1/20(10)

  • 制作年:1968年
  • サイズ:20.0 × 71.5cm
  • 紙本彩色、額装

東山魁夷は、1966年(昭和41年)から1968年(昭和43年)にかけて、宮内庁から依頼を受けた皇居新宮殿の壁画制作に取り組みました。そして完成したのが「朝明けの潮」です。幅15メートル、高さ5メートルの大作です。

「朝明けの潮」は、私たち一般の目に触れる機会がないことから、東京銀座、名古屋、神戸の百貨店で完成記念展覧会が開催されました。原寸大下図などが展示されたようです。

わたなびはじめ
わたなびはじめ
個人的なことだけれど、その当時、僕はまだ生まれていないから拝観できなかったんだ。
誕生場所が北海道函館だったから、仮に15年早く生まれたとしても拝観は不可能だったかな。
経済的な問題だけでなく、そもそも興味・関心がなかったからね。

東山魁夷が「朝明けの潮」を制作する際、約1年間をかけて日本海(山口県~石川県)や紀州白浜、房州に精力的に足を運び写生を行なっています。この写生も作品における貴重な要素になっているのでしょう。

わたなびはじめ
わたなびはじめ
現代なら、お金をかけずにデジタル写真をパシャパシャ撮って端折ってしまう工程かもね。
「僕だったら…」などと自分に置き換えてみたものの、そもそも絵が描けません…
あくまでも勝手な想像だな。

市川市東山魁夷記念館の2階展示室において、私はゆっくりと「朝明けの潮」の下図を拝見することができました。他のお客さんがいらっしゃらない時間だったので、作品の近くで観たり、展示室中央に設置されたイスに腰掛けながら観たりもしました。

海を表現している青の配色の美しさ、波しぶきを描いた白の迫力、波に耐える険しい岩礁の力強さ、その岩礁からこぼれる波の表現力など、ただただ圧倒される思いでした。本当に美しかったです。

東山魁夷はドイツ留学の経験を持つ日本画家です。

ドイツ・ベルリン大学哲学科美術史部にて、西洋絵画史を習得しました。

日本画の手法に西洋絵画のエッセンスが融合して、『「朝明けの潮」のための小下図1/20(10)』のようなすばらしい作品ができあがっているのでしょう。

上述したように、これまでに私が持っていた東山魁夷に対するイメージのひとつは「白馬」でした。そのため、緑色の奥深い色使いと白馬の白の美しさを先入観に持ったまま『「朝明けの潮」のための小下図1/20(10)』を観たのです。

しかし『「朝明けの潮」のための小下図1/20(10)』をはじめとする、海の色の表現には驚かされるばかりでした。青の奥深さを感じさせられました。

ではここで、わたなびはじめジャッジを行ないます。

わたなびはじめ
わたなびはじめ
【なびさんぽ】では、大変勝手ながら、絵画を観る際の個人的基準を「欲しいか欲しくないか」であるとさせていただいています。

我が家にふさわしいかどうかを論じたら、分不相応なことは明確です。
一応、自覚しています。

参照 ⇒「自己&サイト紹介

今回、採り上げさせていただいた『「朝明けの潮」のための小下図1/20(10)』は、まさに「自宅で鑑賞したい(欲しい)と思う作品」でした。

わたなびはじめ
わたなびはじめ
おそらく【なびさんぽ】では、基本的に僕が「欲しい」と思った作品を多くご紹介することなるだろうね。
私が選んで書いているのですから…当たり前かな。

そうは言っても「美術館で観た方がいい」と思う作品も紹介するよ。
お楽しみに!

東山魁夷 「朝明けの潮」のための小下図の所蔵機関

東山魁夷 日本美の象徴図録東山魁夷 日本美の象徴図録とチケット

今回、市川市東山魁夷記念館で開催された『東山魁夷 日本美の象徴』展で展示された『「朝明けの潮」のためのスケッチ』や『「朝明けの潮」のための小下図』は、東京国立近代美術館が所蔵しています。

東京国立近代美術館で常設展示されているかどうかはわかりませんが、興味のある方はそちらで観る機会があるかもしれませんね。

前期のみに展示されていた市川市東山魁夷記念館の所蔵作品も観に行く機会を作りたいと思っています。

長野県信濃美術館 東山魁夷館にもいつの日か行ってみたいところです。

まとめ

東山魁夷「朝明けの潮」
  1. 「朝明けの潮」のための小下図に魅了された!
  2. 東京国立近代美術館、長野県信濃美術館 東山魁夷館にも行ってみたい!

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