国立西洋美術館の前庭にはロダンだけでなく、近代ヨーロッパにおける代表的彫刻家アントワーヌ・ブールデルの「弓をひくヘラクレス」も展示されています。
美術検定の勉強もかねて少し調べてみました。
アントワーヌ・ブールデル「弓をひくヘラクレス」とは

アントワーヌ・ブールデルは19~20世紀に活躍し、オーギュスト・ロダンらと共に近代ヨーロッパを代表するフランスの彫刻家です。
アントワーヌ・ブールデルにはロダンのアシスタント経験があります。また後進の育成にも実績があり、優秀な芸術家の指導でも貢献しました。
アントワーヌ・ブールデルの名声を高めたのが、1909年(明治42年)に制作された「弓をひくヘラクレス」です。国立西洋美術館の前庭に展示されている「弓をひくヘラクレス」の鋳造番号は【No8】です。
「弓をひくヘラクレス」はそのタイトルからも想像できるように、ギリシア語の英雄ヘラクレスを題材としています。
ヘラクレスが怪鳥ステュムファリデスを射落とすために、渾身の力を込めて弓を弾いている場面をブールデルは表現しました。
左足を岩にかけ、大きくて太い弓をしならせているヘラクレスの姿は、勇猛と表現するのがふさわしい気がします。
ヘラクレスのこぶしの大きさが印象的です。ちょっぴり大げさな表現になりますが、顔と同じくらいの大きさですよね。
この作品に矢はありません。しかしヘラクレスのポージングから、頭の中であたかも矢が存在するかのように見えてくるから不思議です。
手の大きさについては触れましたが、足(足首から下)も大きくガッシリ表現されています。
全身にみなぎる力を、放とうとする矢に凝縮させている筋肉の動きが伝わってくるような迫力を感じる作品です。
個人的に彫刻と言えば、ミケランジェロの「ピエタ」くらいしか強い関心が無かったので、国立西洋美術館の前庭に展示されている作品をじっくりと観ることはありませんでした。
これを機に彫刻に対する意識が少し変わった気がするので、これからは屋外の展示物も楽しむようにしたいところです。
まとめ
- 「弓をひくヘラクレス」はアントワーヌ・ブールデルの代表作。
- ブールデルは、近代ヨーロッパを代表する彫刻家のひとり。
- 「弓をひくヘラクレス」は国立西洋美術館の前庭で鑑賞可能。