今日は何だか、ショパンのピアノ作品を聴きたい気分!
そこで、数年前に購入したピアニスト山本貴志さんのCD「ワルツ集&舟歌」をチョイスすることに。引越を重ねたため、しばらく行方不明だったCDです。というわけで、聴くのは久しぶりです。
かつて聴きに行ったコンサート会場でCDを購入し、ミーハー的特性を発揮してサインをしていただいた記憶がよみがえります。
ピアニストの奏でるピアノ曲はひと味もふた味も違います。
よく行く場所にあった、普段聴き慣れているピアノ。
普段もピアノを上手に弾ける人が使ていたのだけれど、あるとき、プロの演奏家の方が弾いたことがあったんだよね。
同じピアノなのに、驚くほどに音色が違ってビックリ!
いつも弾いている人が下手なのではなく、プロの演奏家が別次元だったと感じたんだ。
「ワルツ集&舟歌」に収録されている山本貴志さんの演奏も美しいです。
今回は曲単位ではなくCD1枚をひとつの作品とみなして、基本ヴァイオリン好きの私視点で感想をお届けします。
■ショパン「ワルツ集&舟歌」:山本貴志
- ピアノ:山本貴志
- エイベックス クラシックス【AVCL-25492】
山本貴志:ショパン「ワルツ集&舟歌」

『ショパン「ワルツ集&舟歌」』はピアニスト山本貴志さんのデビューCDです。録音されたのは2010年(平成22年)3月24~26日ですから、10年前の作品ということになります。
フレデリック・ショパンのワルツ14曲と舟歌1曲の計15曲が収められています。ワルツは第1番の「華麗なる大円舞曲」から第14番「遺作」までが網羅されています。
「ピアノの詩人」と呼ばれるショパンのワルツを堪能できる1枚

ワルツは「円舞曲」とも呼ばれ、一般的には3拍子のテンポの良いダンス曲です。
ショパンは作曲家としての活動期間を通じてワルツを書き続けています。ワルツはショパンにとって思い入れのあるジャンルだったのでしょう。
舟歌(バルカローレ)はショパンが1846年(弘化3年)に作曲したピアノ独奏曲です。1849年(嘉永2年)に若くして亡くなったショパンにとって、舟歌は晩年の作品ということになります。
ピアノ曲にそれほど詳しくない私でも知っているような、有名なワルツが収録されているのはうれしいところです。
ピアニスト・山本貴志とは

ここでは山本貴志さんについてご紹介します。
山本貴志(やまもと たかし)さんは長野県出身のピアニストです。1983年(昭和58年)4月12日に生まれています。
ピアノを始められたのは5歳。1997年(平成9年)、中学生のときに第12回 長野県ピアノ・コンクールでグランプリを受賞されています。翌1998年(平成10年)には、第52回 全日本学生音楽コンクール東京大会中学校の部で3位入賞を果たしています。
その後もさまざまなコンクールで受賞されていますので、主だったものをご紹介します。
- 2001年 第70回 日本音楽コンクール 第3位
- 2004年 第56回 プラハの春国際音楽コンクール 第3位 & ヴァレンティーナ・カメニコヴァー特別賞
- 2004年 第6回 パデレフスキ国際ピアノコンクール 第5位
- 2005年 第4回 ザイラー国際ピアノコンクール優勝 & ショパン作品最優秀演奏賞受賞
- 2005年 第15回 ショパン国際ピアノコンクール 第4位
- 2006年 ジーナ・バッカウアー国際ピアノコンクール 第2位
- 2008年 ヒルトン・ヘッド国際ピアノコンクール 第2位
山本貴志さんはショパン音楽アカデミー(ワルシャワ音楽院)でも学ばれていて、2008年(平成20年)に首席で卒業されています。
コンサートで拝見した印象では、ピアノにかじりつくようなスタイル(のめり込むような雰囲気)で演奏されていました。正直なところ、美しい演奏スタイルには見えませんでしたが、ピアノと真正面から対峙している感じは鬼気迫るものがありました。
わたなびはじめの感想:ショパン「ワルツ集&舟歌」(ピアノ 山本貴志)について

CDに収録されている曲がほとんどワルツなので、坦々と曲が進んでいきます。
しかし、山本貴志さんのピアノ演奏がとっても心地よいので、仕事中に流れていても苦になりません。イヤイヤ、逆に集中力が高まるかもしれません。
ワルツについては、唯一情熱的なのが「ワルツ第14番(遺作)」でしょう。CD全体を通じたアクセントになっていると思います。
私の好みはベタかもしれませんが「ワルツ第1番(華麗なる大円舞曲)」です。「ワルツ第6番(子犬)」もいいですね~。
やっぱり、耳馴染みのある曲が聴きやすいということなのでしょう。ということは、聴き込むほどにお気に入りが増えていく可能性があるということですよね。
私はどちらかというとピアノの高音が苦手です。キンキンしている印象が強いからだと思います。
山本貴志さんの演奏だからなのか、ショパンがそのように作曲したからなのかはわかりませんが、『ショパン「ワルツ集&舟歌」』のピアノ曲は、キンキンしていなくて聴きやすいです。
そうでなければ、苦痛を感じていたかもしれません。ほかのピアニストの方の演奏をあまり聴いたことがないので、なんとも言い難いのですが…
これからは『ショパン「ワルツ集&舟歌」』をクラシック音楽の個人視聴ローテーションに加えてみます。何ヶ月か聴き込むと、現時点とは違った感想を持てたり、気付きが生じるかもしれないので楽しみです。
いつの日か、また山本貴志さんの『ショパン「ワルツ集&舟歌」』をご紹介することがあるかもしれません。
まとめ
- ショパンのワルツをたっぷりと堪能できる1枚。
- 聴いていて心地よいピアノ演奏。
- 生で見たときの山本貴志さんの演奏スタイルはストイック!
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