私が現在最も注目している指揮者がグスターボ・ドゥダメル氏です。
カラヤン亡きあと、生のコンサートで鑑賞したいと思える指揮者の筆頭です。
ドゥダメルは度々来日していますが、彼の指揮する演奏会には未だ行けていないのが悲しいところです。
今回は、グスターボ・ドゥダメルにつて紹介します。
グスターボ・ドゥダメルに対する興味のキッカケ

私がドゥダメルに興味を抱くキッカケは、NHKのBS番組「プレミアムシアター」でした。
アフロではないけれどボリュームのある髪を揺さぶりながら、イキイキとと指揮をする姿に視線が釘付けに。まだ若いのに堂々たる姿でタクトを振る背中からは、オーラのようなものを感じました。
どちらかと言えば、演奏よりもビジュアルに惹き付けられたのだと思います。だからといって、タクトを振るだけのパフォーマーではないことはピンときました。そこには管弦楽団の奏でる演奏の魅力も詰まっていました。
そのようなキッカケで、ドゥダメルが指揮をするとなると番組を録画するようになり、Blu-rayディスクが増え続けているところです。今、すぐに確認できるものとしてはザッと次のような感じです。
- グスターボ・ドゥダメル × ハービー・ハンコック「ガーシュウィン」
- ジョン・ウィリアムズ 名曲コンサート(指揮:グスターボ・ドゥダメル)
- ベルリン・フィル・ヨーロッパコンサート2012(指揮:グスターボ・ドゥダメル)
- ウィーン・フィル シェーンブルン夏の夜のコンサート2012(指揮:グスターボ・ドゥダメル)
- NHK音楽祭2013 ヴェルディ・ガラ・コンサート(指揮:グスターボ・ドゥダメル)
- NHK音楽祭2013 ヴェルディ 歌劇「アイーダ」全4幕(指揮:グスターボ・ドゥダメル)
- ベルリン・フィル ワルトビューネ コンサート2014(指揮:グスターボ・ドゥダメル)
- ザルツブルク音楽祭2013 マーラー交響曲第8番(指揮:グスターボ・ドゥダメル)
私が10代後半の頃にカラヤンが亡くなり、彼の指揮する生演奏を聴く機会は閉ざされてしまいました。
「カラヤンのような感じで注目するような指揮者は、もう現れないのではないか?」
と思ったこともありましたが、そのようなことにはなりませんでした。
私よりも10歳ほど若いグスターボ・ドゥダメルの活躍を期待するとともに、いつかコンサートでお目にかかれる日を楽しみにしています。
グスターボ・ドゥダメルとは

グスターボ・ドゥダメルは、1981年(昭和56年)1月26日生まれのベネズエラ出身の指揮者です。父親はトロンボーンの奏者経験を持ち、母親は声楽家ということで、幼い頃から音楽に親しむ環境で育ちました。
ドゥダメルが5歳くらいから、「青少年救済および社会政策として音楽を活用することを目的とした財団」であるエル・システマで音楽教育を受け始めます。ドゥダメルは10歳でヴァイオリンを選択し、12歳でコンサート・マスターを務めます。さらには地元のユース弦楽合奏団の指揮もするようになりました。
ドゥダメルが意図的に指揮者への道を歩んだのか、予期せずして指揮をする経験を得たのかはわかりません。
その後、1995年(平成7年)からドゥダメルは、ロドルフォ・サグリンベニより学びます。アマデウス室内管弦楽団の指揮者への任命もされました。
ドゥダメルの指揮者としての勉強の本格化は、1999年(平成11年)にベネズエラの音楽家ホセ・アントニオ・アブレウに師事したことで加速します。すぐさまシモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラの音楽監督に指名されています。さらには、世界各地(南米、イタリア、フランス)での演奏を行ない注目を集めました。
2000年(平成12年)にはベルリンのフィルハーモニーでも公演しています。
■シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラとは
シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラは、ホセ・アントニオ・アブレウが「青少年救済および地域と社会振興を目的」に発足させたオーケストラです。
1975年(昭和50年)の活動当初は、練習場所の地下駐車場に集まったの子供はたった12名だけでした。
アブレウの熱意と強い信念のもと、参加者はどんどん増えていきます。
その後の成果は目覚ましく、ベネズエラの文化行政などにも影響を与えています。
グスターボ・ドゥダメルは2002年(平成14年)、「マゼール/ヴィラール指揮者コンクール」のファイナリストになります。しかし、自己都合により本選には出場していません。
その代わりと言っては語弊がありますが、2004年(平成16年)の「第1回 グスタフ・マーラー指揮者コンクール」で優勝します。
この辺りから、サイモン・ラトル、クラウディオ・アバド、ダニエル・バレンボイムといった現在の名指揮者たちとの交流が始まります。
そしてドゥダメルは、ヨーロッパの名門オーケストラに客演するようになます。
2006年(平成18年)、ドゥダメルはミラノ・スカラ座で歌劇「ドン・ジョバンニ」の新演出を指揮しています。ダニエル・バレンボイムに学んだあとのことでした。
2007年(平成19年)からはエーテボリ交響楽団の首席指揮者に就任します。
2009年(平成21年)には、ロサンジェルス・フィルハーモニックの音楽監督にしました。
2010年(平成22年)大晦日には、ベルリン・フィル ジルヴェスター・コンサート2010で指揮を務めました。
2017年(平成29年)には、ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート2017の指揮者として登壇しています。
2022年(令和4年)公開のスティーヴン・スピルバーグ監督映画作品「ウエスト・サイド・ストーリー 」では、劇伴音楽の指揮を努めています。
とにかく注目の指揮者ですよ、グスターボ・ドゥダメルは!
ドゥダメルのドイツ・グラモフォンからのCDリリースについて
ドイツ・グラモフォンにおけるドゥダメルのCDリリースについて、日本版を中心にご紹介します。
2007年02月21日 | ベートーヴェン:交響第5番&第7番 |
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2007年08月08日 | マーラー:交響曲第5番 |
2008年12月17日 | チャイコフスキー:交響曲第5番他 |
2010年06月23日 | ストラヴィンスキー:バレエ「春の祭典」 |
2011年04月20日 | チャイコフスキー&シェイクスピア |
2011年05月11日 | 【SHM-CD】フィエスタ |
2011年09月28日 | ブルックナー:交響曲第9番/ シベリウス:交響曲第2番/ ニールセン:交響曲第4番・第5番 |
2012年06月20日 | 【SHM-CD】ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」、序曲 |
2012年07月25日 | 【SHM-CD】シェーンブルン宮殿 夏の夜のコンサート2012 |
2012年08月22日 | 【SHM-CD】ドゥダメル・ベスト-ディスカヴァリーズ |
2013年02月27日 | 【SHM-CD】マーラー:交響曲第9番 |
2013年08月21日 | 【SHM-CD】R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」 |
2014年09月17日 | 【SHM-CD】マーラー:交響曲第7番 |
2015年03月25日 | 【SHM-CD】エル・システマ 40周年記念アルバム |
2015年08月19日 | 【SHM-CD】ブラームス:ピアノ協奏曲第1番&第2番 |
2016年12月07日 | 【SHM-CD】ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」 |
2018年11月21日 | くるみ割り人形と秘密の王国 オリジナル・サウンドトラック |
2018年11月30日 | 【SHM-CD】チャイコフスキー:バレエ「くるみ割り人形」 |
2019年03月12日 | ロサンゼルス・フィルハーモニック100周年記念 [直輸入盤] |
2019年03月20日 | 【SHM-CD】ジョン・ウィリアムズ・セレブレーション |
ドゥダメルはソニークラシックとも録音しています。2017年のウィーン・フィル ニューイヤーコンサートのCDは、ソニークラシックから発売されています。
2012年(平成24年)の第54回グラミー賞で「ブラームス交響曲第4番」がベスト・オーケストラ・パフォーマンス賞を受賞しています。
ロサンジェルス・フィルハーモニックとの共演でした。
こちらは日本版CDにはなっていないようです。
今年2020年1月の第62回グラミー賞においては、「ノーマン:サステイン」で最優秀オーケストラ演奏部門を受賞しています。こちらもロサンゼルス・フィルハーモニックとの共演です。
ドゥダメルの今後の活躍からも目が離せません。楽しみです!
CD等は全てご紹介できていないかもしれません。
すみません。
わたなびはじめの感想:グスターボ・ドゥダメルの魅力について

記憶に自信がありませんが、私が最初にインパクトを受けたグスターボ・ドゥダメルの指揮する演奏は、「ベルリン・フィル・ヨーロッパコンサート2012」だったと思います。上述のNHK BS番組「プレミアムシアター」で放送されたのです。
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のヨーロッパコンサートは、毎年5月1日のベルリン・フィルの創立記念日に、ヨーロッパ各地の歴史的建造物などで開催されるコンサートです。そのときにグスターボ・ドゥダメル指揮で、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」が演奏されました。会場はウィーンの宮廷スペイン乗馬学校でした。
それが印象的だったのです。
世界屈指のオーケストラと、若いながらも人気と実力を兼ね備えた指揮者による演奏に魅了されました。以降、グスターボ・ドゥダメルを注目することに。
そういえば、メンデルスゾーンの交響曲第3番のレコードも購入しました。
ミーハー気質のある私にとって、現在進行形で注目できる指揮者がいることは非常にうれしく、楽しいことです。グスターボ・ドゥダメルはチェックですよ!
まとめ
- ドゥダメルはベネズエラ出身の若き天才指揮者。
- 世界の有名オーケストラと共演している。
- 有名イベントでの指揮経験あり(ジルベスター、ニューイヤーなど)。