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カラヤンの誕生日の4月5日を記念して、1988年演奏のチャイコフスキー「交響曲第6番≪悲愴≫」を聴く!

カラヤン・チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」
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昨日4月5日は、ヘルベルト・フォン・カラヤンの誕生日でした。

1日遅れになりましたが4月6日の本日、カラヤンの指揮する演奏を聴くことにしました。

1988年(昭和63年)にサントリーホールで演奏されたチャイコフスキー「交響曲第6番≪悲愴≫」。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の鬼気迫る迫力の演奏です。

カラヤンが亡くなる1年前に公開収録された音源をリマスターしたCDです。

■カラヤン・ラストコンサート1988/モーツァルト「交響曲第29番」/チャイコフスキー「交響曲第6番≪悲愴≫」

  • 指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
  • 演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  • ドイツ・グラモフォン
  • ユニバーサル・ミュージック株式会社【UCCG-1402】

ヘルベルト・フォン・カラヤンの誕生日を記念して

カラヤン・チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」

ヘルベルト・フォン・カラヤンは、言わずと知れたオーストリア出身の名指揮者で「帝王」や「ヨーロッパ楽団の音楽総監督」とも呼ばれた人物であり、好悪は別にして、間違いなく20世紀を代表する指揮者のひとりです。

そのカラヤンが誕生したのが1908年(明治41年)4月5日でした。

ヘルベルト・フォン・カラヤンについては、いずれじっくりと書かせていただくつもりです。

今回は、昨日のカラヤンの誕生日を記念して、チャイコフキー作曲の「交響曲第6番≪悲愴≫」を聴いた感想をご紹介します。

カラヤン、日本でのラストコンサート

カラヤン・チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」

1954年(昭和29年)以来、カラヤンは通算11回来日しています。さらに、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団との来日公演は9回に及びます。

カラヤンの最後の来日となったのが、亡くなる1年前の1988年(昭和63年)でした。4月29日から5月5日にかけて、5日間コンサートが開催されました。もちろん、演奏はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団でした。

1988年(昭和63年)の来日公演は、次と日程と演目で開催されました。

■4月29日:ザ・シンフォニーホール(大阪府)

  • モーツァルト:交響曲第29番
  • チャイコフスキー:交響曲第6番≪悲愴≫

■4月30日:ザ・シンフォニーホール(大阪府)

  • ベートーヴェン:交響曲第4番
  • ムソルグスキー/ラヴェル編曲:組曲「展覧会の絵」

■5月2日:サントリーホール(東京都)

  • モーツァルト:交響曲第29番
  • チャイコフスキー:交響曲第6番≪悲愴≫

■5月4日:東京文化会館(東京都)

  • ベートーヴェン:交響曲第4番
  • ムソルグスキー/ラヴェル編曲:組曲「展覧会の絵」

■5月5日:サントリーホール(東京都)

  • モーツァルト:交響曲第39番
  • ブラームス:交響曲第1番

今回ご紹介しているCDは、5月2日のサントリーホールでの演奏を収録したものです。東京で開催されたコンサートは、NHK-FMで生放送されました。

その際に録音されたNHKのマスターテープを元に、ドイツ・グラモフォンのハノーファー・スタジオでリマスタリングが施され、2008年(平成20年)にCD発売されました。

カラヤンによるチャイコフスキー「交響曲第6番≪悲愴≫」の演奏は、1988年5月2日が最後となりました。

カラヤンとチャイコフスキー「交響曲第6番≪悲愴≫」

カラヤン・モーツァルト交響曲第29番

交響曲第6番≪悲愴≫は、チャイコフキーにとって完成させた最後の交響曲であり、最後の作品です。1893年(明治26年)10月28日に初演されました。そのわずか9日後の同年11月6日に、チャイコフスキーは急死しています。

そして「交響曲第6番≪悲愴≫」は、カラヤンにとって非常に思い入れの深かった作品だったと言えます。なぜなら、カラヤンはチャイコフスキーの交響曲第6番≪悲愴≫を7回も正式録音しているのですから。(今回のCDを含めたライブ録音や映像作品を除く。)

1988年(昭和63年)の来日コンサートにおけるカラヤン&ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏は、この曲に込めた大指揮者の思いをベルリン・フィルがしっかりと受け止めて、崩壊寸前近くまで張り詰めながらも気迫で成立させたような演奏になっています。

チャイコフスキーとは

すぐわかる!チャイコフスキーとは

チャイコフスキーについては、『すぐわかる!チャイコフスキーとは|チャイコフスキーの生涯と代表作について』をご参照ください。

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わたなびはじめの感想:チャイコフスキー「交響曲第6番≪悲愴≫」について

カラヤン・チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」

チャイコフスキー作曲の「交響曲第6番≪悲愴≫」についての詳細についても、カラヤンの記事と同様、いずれ別の機会に書かせていたくこととさせていただきます。

ここでは「カラヤン/ラスト・コンサート1988」と銘打たれたCDに収録された「交響曲第6番≪悲愴≫」を聴いた率直な感想をお伝えします。【 】は今回聴いたCDの演奏時間です。

■第1楽章【19分19秒】

張り詰められた緊張の中、荘厳さを感じる演奏です。

悲しさを内に秘めた情熱が爆発します。もの凄いエネルギーを放出します。

終盤は、壮大な音の流れにゆったりと包み込まれます。

■第2楽章【9分14秒】

第1楽章の半分ほどの演奏時間ですが、やさしく、少し明るい表情をのぞかせます。ワルツを踊っているような優雅さを伴った旋律が続きます。

■第3楽章【9分15秒】

少し急き立てられるように始まりますが、楽し気な雰囲気は残っています。波が打ち寄せては引いていくように、音の厚みとともに表情が変化します。

行進曲が続き、弦楽器が常にアクセントを与えています。ところどころ金管楽器と打楽器が加わりつつ、激しさを増していきます。

勝ち誇ったような勇ましいさが炸裂します。ベルリン・フィルの演奏は、まさに圧巻です。

■第4楽章【11分43秒】

再び、悲しさが戻ってきます。心の表面をやさしさ混じりの寂しさがなでつけるようです。

悲しみのボルテージが高まりつづけ、燃え尽きたかのような寂しさが残ります。不吉なことを暗示するように、金管楽器が鳴ります。

悲しくも雄大な膜に覆われているかのようです。静けさまでもが音楽の一部になってしまい、徐々にテンポはゆるやかになっていきます。

最後は、息を引き取るように静かに消えていきます。

カラヤンが30年以上共に過ごしたベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が、そのチカラを余すところなく発揮した演奏だったと思います。

このチャイコフスキー「交響曲第6番≪悲愴≫」を生で聴けた方は、最高に幸せだったのではないでしょうか。

わたなびはじめ
わたなびはじめ
うらやましいなぁ

まとめ

カラヤン・チャイコフスキー「交響曲第6番・悲愴」
  1. 悲愴はチャイコフスキーが完成させた最後の交響曲。
  2. カラヤンは度々、交響曲第6番「悲愴」を録音している。
  3. ベルリン・フィルがカラヤンの意志を汲み取ったかのような見事な演奏。

■関連CDのご案内です。
    

指揮ヘルベルト・フォン・カラヤン、演奏ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によるモーツァルトとチャイコフスキーの交響曲です。

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