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今後は好きになれるかな?チャイコフスキー「交響曲第4番」|カラヤン&ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

チャイコフスキー「交響曲第4番」
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これまであまり聴いてこなかったチャイコフスキーの交響曲。

とはいえ、約4ヶ月前に交響曲第6番《悲愴》を聴いて印象が変わったのも事実です。

今回はカラヤン・ゴールドシリーズ【CD】に収められた「交響曲第4番」を、カラヤン指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で楽しんでみました。

■チャイコフスキー「交響曲第4番」

  • 指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
  • 演奏:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
  • ドイツ・グラモフォン カラヤン・ゴールドシリーズ
  • 発売:ポリドール株式会社【POCG-9364】

チャイコフスキー作曲「交響曲第4番」とは

イタリア・ベネツィアイタリア・ベネツィア

チャイコフスキーは交響曲第4番を1877年(明治20年)~1878年(明治21年)に作曲しました。

この曲にはイタリア・ヴェネツィアが関係しています。チャイコフスキーは、ヴェネツィアのホテル・ボー・リヴァージュ(現在:ホテル・ロンドラ・パレス)に滞在している期間に交響曲第4番を書き上げたのです。

この時期のチャイコフスキーにはナジェジダ・フォン・メック夫人というパトロンがいて、経済的なゆとりがあったのです。メック夫人は鉄道経営者の未亡人で資産家でした。

チャイコフスキーはメック夫人と交際をしていた?ようです。1,200通ほどの文通が行なわれていました。しかしながら、二人は一度も顔を合わせたことがありませんでした。

わたなびはじめ
わたなびはじめ
交響曲第4番はメック夫人に献呈されているんだよ!

作曲活動に没頭できたチャイコフスキーでしたが、1877年(明治20年)には結婚生活の破綻から自殺を図るほど精神的なダメージを受けていました。その療養もかねてイタリアに滞在していたのでしょう。

交響曲第4番の初演は1878年(明治11年)2月10日 サンクトペテルブルクにて、ロシアの作曲家でありピアニストでもあったニコライ・ルビンシテインの指揮で演奏されました。

交響曲第4番には、チャイコフスキー自身の経験から感じ取った人生観が反映されているのです。

チャイコフスキーとは

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チャイコフスキーについては、『すぐわかる!チャイコフスキーとは|チャイコフスキーの生涯と代表作について』をご参照ください。

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わたなびはじめの感想:チャイコフスキー「交響曲第4番」について

チャイコフスキー「交響曲第4番」

ここからは、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏による、チャイコフスキー「交響曲第4番」の感想をお伝えします。

交響曲第4番は4つの楽章で構成されていて、今回のCDの演奏時間は約43分程です。
※【】は今回聴いたCDの演奏時間です。

■第1楽章【18分32秒】

華々しいファンファーレ(序奏)で始まりますが、悲しい旋律(第一主題)へと変わります。重苦しさが漂い、自分一人では抗いきれない何かに心が押しつぶされそうな憂いを帯びていきます。ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」に通じる要素を感じます。

クラリネットの音色とともに雰囲気が変わり、少しだけ明るい表情を見せるとともに希望を感じます。この部分が第二主題ですね。

楽章の中盤近くで壮大さを感じさせる旋律が繰り広げられます。

その後、ファンファーレを合図に希望から不安へと徐々に移っていきます。それでいて美しさも感じさせるのが、この楽章の不思議な魅力です。

さらにファンファーレが鳴り、激動を表現するかのような音が渦巻く目まぐるしい描写が登場します。

少しひょうきんな場面へと移り、穏やかな空気が支配します。しかし音の厚みはどんどん増していき、またしてもファンファーレが…

静寂のまま終わりを迎えるのかと思いきや激しさを増し加えていき、重厚なラストを迎えます。

■第2楽章【10分00秒】

オーボエによる穏やかながらも悲しみを帯びた雰囲気ではじまります。どちらかというと「暗さ」が支配的です。

なぜだろう?
それでも美しさを感じ、心に響いてきます。素朴な感じがそう思わせるのでしょうか…

田園風景をイメージさせるような場面も登場します。

(どこかイタリア奇想曲に似た部分を感じる気がします。気のせいかな?)

最後は静かに終わります。

■第3楽章【5分38秒】

これまでとは雰囲気が一変します。軽快なピチカートで気まぐれさを感じさせられます。重苦しい要素は感じず、リラックスして聴いていられます。

最後はちょっとしたクライマックスの後、静かに消えるように終わります。

■第4楽章【8分30秒】

目が覚めるような打楽器の音に驚かされつつはじまります。忙しないというか軽快なリズムにダイナミックスさが加わって、一気に引き込まれていくかのようです。

その後は一転して流れを伴う静かな旋律に。とは言いつつも、激動の欠片が潜んでいるかのようです。そして私も以前に耳にしたことのある旋律の登場です。華々しさが増し加わります。

自然の風景を描写したかのような美しさを感じます。しかし、それも長くは続きません。金管楽器が大活躍!

クライマックスの盛り上がりからは、自分の境遇に押しつぶされるような暗さは感じられません。

3つの主題が入り混じるように構成されていて、聴きごたえのある楽章です。

チャイコフスキーの序曲や協奏曲、バレエ音楽は好きなのに、なぜか交響曲はあまり聴く気になれなったのが正直なところです。

交響曲第6番《悲愴》で交響曲にも興味を持つようになりましたが、第4番は第4楽章を除いて今のところ好きになれる気がしません。それでも繰り返し聴いていくうちに、印象が変わる可能性はあります。

わたなびはじめ
わたなびはじめ
自分の人生観も変化するかもしれませんしね。

まとめ

チャイコフスキー「交響曲第4番」
  1. 交響曲第4番はチャイコフスキーがイタリアで完成させた楽曲。
  2. チャイコフスキーは交響曲第4番を経済的な支援をしてくれたメック夫人に贈った。
  3. 初演は1878年にサンクトペテルブルクで行なわれた。

■関連CDのご案内です。
    

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏によるチャイコフスキーです。

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