以前、カラヤン指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏でご紹介したチャイコフスキー作曲のバレエ組曲「くるみ割り人形」。
ウィーン・フィル盤は1961年(昭和36年)の録音ですが、今回のベルリン・フィル盤は約21年後の1982年(昭和57年)に収録された作品です。
指揮は同じヘルベルト・フォン・カラヤンですが、録音された時期とオーケストラが違うので新鮮な気持ちで聴くことに。
今回はカラヤン・ゴールドシリーズ【CD】により、カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で楽しみました。
デッカのウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏とも聞き比べてみましたので、感想をご紹介しますね。
■チャイコフスキー 幻想序曲「ロメオとジュリエット」/バレエ組曲「くるみ割り人形」
- 指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
- 演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
- ドイツ・グラモフォン カラヤン・ゴールドシリーズ
- 発売:ポリドール株式会社【POCG-9509】
■チャイコフスキー「三大バレエ組曲」よりバレエ組曲「くるみ割り人形」
- 指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
- 演奏:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
- DECCA【UCCD-4401】
チャイコフスキー バレエ組曲「くるみ割り人形」

くるみ割り人形のあらすじなどについては『チャイコフスキー 組曲「くるみ割り人形」|心躍る誰もが知るメロディ カラヤン&ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団』でご紹介させていただいているので、ここでは割愛しますね。
チャイコフスキーは3つのバレエ音楽を作曲しています。
- 白鳥の湖
- 眠れる森の美女
- くるみ割り人形
「くるみ割り人形」は、チャイコフスキーにとって最後のバレエ音楽でした。
マリインスキー劇場(ペテルブルク:旧レニングラード)から「くるみ割り人形」の作曲依頼を受けた際、意外なことにチャイコフスキーは自信が持てなかったようです。
そんなチャイコフスキーの思いを変えたのは、名振付師ペティパの台本でした。原作の良さを活かしながら、バレエ向きの台本に仕上がっていたのです。
チャイコフスキーとは

チャイコフスキーについては、『すぐわかる!チャイコフスキーとは|チャイコフスキーの生涯と代表作について』をご参照ください。

わたなびはじめの感想・チャイコフスキー バレエ組曲「くるみ割り人形」

ここからはヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で、チャイコフスキー作曲 バレエ組曲「くるみ割り人形」を聴いた感想をご紹介します。
ウィーン・フィル盤の感想も付け加えますね。
■少序曲・特徴のある踊り
軽快で明るく、メルヘンの世界の始まりを予感させるのにピッタリの序曲です。弦楽器の伸びやかさも美しいです。爽やかに終わるのもステキ。
ウィーン・フィル盤の方がメリハリが効いているように感じました。個人的にはベルリン・フィル盤の方が聴きやすいです。
■行進曲
くるみ割り人形を知らずとも、この旋律はどこかで耳にしているはず!
トランペットやホルンがこの曲を特徴づけています。
ベルリン・フィル盤はスピード感があります。ウィーン・フィル盤の方が低音で奏でられる弦楽器が聴き取りやすく感じました。個人的に聴きやすいのはウィーン・フィル盤です。
■こんぺい糖の踊り
これぞ幻想的な響き!迷宮に入り込んでいくような感覚になります。
ベルリン・フィル盤、ウィーン・フィル盤ともにすばらしく、甲乙つけがたいです。
■ロシア舞曲:トレパーク
これも聴いたことがある旋律のはず!
荒っぽさを感じますが、短いながらも非常に勢いのある名曲です。
ベルリン・フィル盤の方が、音に丸みを感じて聴きやすい気がします。
■アラビアの踊り
オリエンタルな雰囲気が漂う楽曲です。ちょっぴり魅惑的な独特の雰囲気に引き込めれていきそうに…
ウィーン・フィル盤の方が抑制されていて、魅惑的な演奏に感じられます。
■中国の踊り
中国とはいっても、あくまでも「中国風」といった感じですね。私には中国風には感じられません…
フルートが大活躍し、印象的です。
ベルリン・フィル盤、ウィーン・フィル盤ともにすばらしく、甲乙つけがたいです。あえて言うなら、ベルリン・フィル盤の方がソフトというかマイルドな感じがします。
■あし笛の踊り
これもどこかで耳にしているであろうメロディーですよ!
ここでもフルートが大活躍。茶目っ気たっぷりの楽しい楽曲です。
ウィーン・フィル盤の方がおっとりした印象を受けますね。
■花のワルツ
ホルン、木管楽器、ハープが美しい!まさに花が咲き誇っている景色が目に浮かぶようです。
ワルツのリズムが耳に心地いいです。とってもゴージャスな気分になれます。
テレビCMなどでも使用されているので聴いたことがあるのでは?
個人的にワルツが好きなので、大好きな楽曲です。
ベルリン・フィル盤の方が、音がのびやかで美しさが強調されているように感じました。
指揮者は同じカラヤンですが、録音された時期とオーケストラが違うと雰囲気が変わるものですね。
正直、全体的にな印象としては後に録音されているベルリン・フィル盤の方が聴きやすかったです。だからといってウィーン・フィル盤が劣っているということではありません。
まとめ
- 耳に馴染みのあるメロディーが多いはず!
- 聴きやすいし、楽しい気分になれるバレエ組曲です。
- 個人的には「花のワルツ」が大好き!
■関連CDのご案内です。
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