ウィーン楽友協会 大ホールで開催されるウィーン・フィル ニュー・イヤー・コンサート。2020年(令和2年)はアンドリス・ネルソンス氏が指揮を務めました。
ニュー・イヤー・コンサートの人気は高く、世界90カ国以上で放送されているとか。
私の大好きな「美しく青きドナウ」を堪能できる大好きなコンサート。
2002年(平成14年)に小澤征爾氏が指揮を務めた頃から観るようになりました。そのときにはDVDを購入した記憶があります。引越でしまい込んでしまったため、すぐには取り出せませんが…
ニュー・イヤー・コンサートで演奏されるのは、ヨハン・シュトラウス父子のワルツやポルカが中心です。
ラストを飾る「ラデツキー行進曲」の客席を巻き込んだ手拍子の場面は、楽しくて仕方がありません。指揮者によって手拍子を促すパフォーマンスにそれぞれの個性を感じられるのも魅力的です。
そんなウィーン・フィル ニュー・イヤー・コンサート2020の感想と、指揮者 アンドリス・ネルソンス、コンサートの歴史などをご紹介します。
ウィーン・フィル ニュー・イヤー・コンサート2020の感想

今年も着物を召した日本人女性が映っていましたね。羨ましいかぎりです。
今年のウィーン楽友協会 大ホール(黄金の間)のデコレーションは、赤とピンクの花が主体の明るい印象。緑は少なめでした。
今年(2020年)はヨーゼフ・シュトラウスが亡くなって150年とのことで、彼の曲が多めに演奏されていました。さらに生誕250年のベートーヴェンの楽曲(「12のコントルダンス」から)も演奏されていましたよ。
誰もが知っていると言っても過言ではない、スッペ作曲の喜歌劇「軽騎兵」序曲も聴くことができて嬉しかったです。
演奏を聴くだけでなく、観ても楽しめるのがテレビのいいところ。ウィーン国立バレエ団の踊りも美しくて素敵でした。
バレエは2曲(2回)披露されましたが、今回は演奏会場に入っていく演出はありませんでした。個人的には、ヨハン・シュトラウス作曲のワルツ「抱き合え もろびとよ!」作品443に合わせたバレエが美しかったですね。
2021年(令和3年)の指揮者は、リッカルド・ムーティ氏と発表されました。
次回もニュー・イヤー・コンサートが楽しみです。
2020年の指揮者はアンドリス・ネルソンス!

2020年(令和2年)のニュー・イヤー・コンサートの指揮者を務めたのは、アンドリス・ネルソンス氏。
アンドリス・ネルソンスとは、どのような指揮者なのでしょうか?
アンドリス・ネルソンスが、ウィーン・フィル ニュー・イヤー・コンサートの指揮をするのは今回が初めてです。これまでになかった新しい魅力を感じさせてくれました。
アンドリス・ネルソンスの分厚いガッシリした体から繰り広げられる指揮は、見ていて楽しかったです。ときに優雅に、ときに小刻みに腕や胴体を揺らして指揮をする姿は、音楽を前身で表現しているかのようなパーフォーマンスでした。
アンドリス・ネルソンスの略歴
1978年(昭和53年)11月18日にラトビア共和国の首都リガに生まれたネルソンス。ご両親も音楽家のようです。
ピアノやトランペット、歌唱を学び、ラトビア国立歌劇場管弦楽団の首席トランペット奏者に就任した経歴の持ち主です。
指揮については、次の方々から学んでいます。
- アレクサンドル・ティトフ
- ネーメ・ヤルヴィ
- ヨルマ・パヌラ
- マリス・ヤンソンス
マリス・ヤンソンス氏といえば、2019年(平成31年・令和元年)11月30日に亡くなられた大指揮者のひとり。
ネルソンスと同じ、ラトビア出身だったんですね。
ウィーン・フィル ニュー・イヤー・コンサートでは、2006年(平成18年)、2012年(平成24年)、2016年(平成28年)の3回、指揮を務めています。
アンドリス・ネルソンスに話を戻しますね。
ネルソンスはこれまで、大きな音楽祭にも参加しています。2009年(平成21年)夏には私の大好きなBBCプロムスに指揮を、2010年(平成22年)の夏にはルツェルン音楽祭にも参加しています。
クラシック音楽の大きなイベントに、10年ほど前から声がかかる力量の持ち主なんですね。
それに加えて、2010年(平成22年)11月には療養していた小澤征爾氏の代役も務めていました。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会と日本公演でのことです。
私が知らなかっただけで、すごい指揮者なんだと思い知らされました。グスターボ・ドゥダメル氏ばかり注目していましたが、ネルソンスも若くて今後のさらなる活躍が期待できそうです。
アンドリス・ネルソンスは現在、2つの楽団の音楽監督を務めています。
- ボストン交響楽団
- ライプチィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
ウィーン・フィルとの関係は、2010年(平成22年)から続いているようです。
ウィーン・フィル ニュー・イヤー・コンサートの起源と歴史

ウィーン・フィル ニュー・イヤー・コンサートの起源は1939年(昭和14年)12月31日にあるようです。最初に指揮を務めたのはクレメンス・クラウス氏。
第2回目は2年後の1941年(昭和16年)に開催されました。実質的には「丸1年と2週間」後といった感じです。この際には、オーストリアの初代大統領カール・レンナー氏が他界された関係で1月14日に延期開催されています。
3回目以降は1951年(昭和26年)を除いて、1月1日の正午から開催されるようになりました。
有名指揮者がタクトを振るニュー・イヤー・コンサート
これまでにその時代の代表的な指揮者の方々が登壇されていますが、やはりカラヤン・ファンの私としては1987年(昭和62年)が印象的です。CDを購入して聴いています。
もちろん、ドゥダメルも大好き!
ニュー・イヤー・コンサートで指揮をした名指揮者はカラヤンだけではありません。
ロリン・マゼール氏、クラウディオ・アバド氏、カルロス・クライバー氏、ズービン・メータ氏、リッカルド・ムーティ氏、ニコラウス・アーノンクール氏、我らが小澤征爾氏、ダニエル・バレンボイム氏、クリスティアン・ティーレマン氏など、豪華な顔ぶれが指揮を振ってきました。
個人的には、2017年(平成29年)のグスターボ・ドゥダメル氏の指揮を生で聴きたかったです。
1992年(平成4年)にはレナード・バーンスタイン氏が予定されていたようですが、他界されたため実現には至りませんでした。
ラデツキー行進曲と美しく青きドナウは大定番

ニュー・イヤー・コンサートの絶対的定番は、3曲演奏されるアンコールにあります。
アンコールの2曲目は「美しく青きドナウ(ヨハン・シュトラウス2世)」、ラストが「ラデツキー行進曲(ヨハン・シュトラウス1世)」を奏でるのが習わしです。
なぜって?
それは「美しく青きドナウ」が大好きだからだ~!
まとめ
- 今年の指揮は初登場のアンドリス・ネルソンス氏。
- ウィーン・フィルのニュー・イヤー・コンサートでは有名指揮者がタクトを振ってきた!
今年は元旦に限らず、録画した映像やDVD、CD、レコードなどでシュトラウス父子の楽曲を楽しんでみようと思います。
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