数日前のことになりますが、NHK・BSプレミアム「プレミアムシアター」で再放送されたチューリヒ・バレエ「くるみ割り人形とねずみの王様」(全2幕)を鑑賞しました。
2018年(平成30年)4月13・15日にチューリヒ歌劇場(スイス)で開催された公演の再放送でした。
チャイコフスキーの音楽とクリスティアン・シュプックの振り付けが見事に融合したすばらしい舞台で、バレエが苦手の妻も「面白かった!」と絶賛。私自身もドロッセルマイヤー役のドミニク・スラウコフスキーに視線が釘付けに。
結論は「観てよかった!実際に劇場で鑑賞したい!」と思える作品でした。
「くるみ割り人形とねずみの王様」と「くるみ割り人形」とは違うの?

「くるみ割り人形とねずみの王様」は、E.T.A.ホフマン原作のメルヘン的要素を持った物語(童話)です。1816年(文化13年)に刊行された「少年童話集」に収録されました。
チャイコフスキーのバレエ「くるみ割り人形」は、E.T.A.ホフマンの童話「くるみ割り人形とねずみの王様」を原作としています。
厳密にはチャイコフスキーが実際に参照したのは、劇作家アレクサンドル・デュマのフランス語訳の小説です。
台本を担当したのは「クラシック・バレエの父」として名高いマリウス・プティパ(振付師)で、バレエ用へと簡略化したものになっています。
振り付けはプティパが体調不良となったため、後輩のレフ・イワーノフに任されました。

2018年(平成30年)4月にチューリヒ歌劇場でチューリヒ・バレエ団が上演したバレエ「くるみ割り人形とねずみの王様」(全2幕)は、E.T.A.ホフマンの原作に忠実に振り付けされています。
私が録画・鑑賞したのは同バレエ団の芸術監督クリスティアン・シュプックの振り付けによるものでした。
バレエ「くるみ割り人形とねずみの王様」とバレエ「くるみ割り人形」はチャイコフスキーの音楽を使用していますが、後者の方がストーリーが簡略化されているのです。
わたなびはじめの感想:チューリヒ・バレエ「くるみ割り人形とねずみの王様」について

チューリヒ・バレエ「くるみ割り人形とねずみの王様」は、バレエダンサーもポール・コネリーが指揮するフィルハーモニア・チューリヒの音楽もすばらしい作品でした。
特にドロッセルマイヤー役のドミニク・スラウコフスキーの踊りが魅力的。手足が長いドミニク・スラウコフスキーの舞はダイナミックかつ繊細で、妖艶さが溢れていました。
ジャンルは違いますが、マイケル・ジャクソンのダンスも人を魅了するすばらしいものでした。劇場で「THI IS IT」を鑑賞した際に気付いたのですが、マイケルのダンスがカッコよく決まるヒミツのひとつは「手と足の長さ」にあると思います。
ドミニク・スラウコフスキーもこの要素を満たしていました。だから踊るとカッコいいい!
スイス、遠いけど...
マリー役のミシェル・ウィレムスは可愛らしく、くるみ割り人形・王子・ドロッセルマイヤーのおい役のウィリアム・ムーアも美男子。個性が際立つ他のキャラクター(ダンサー)たちにも注目です。
今回のバレエでは衣装も違和感がなく、男性ダンサーたちが白タイツではなくズボンを履いていました。ねずみの衣装もリアルでよかったですね。
舞台演出も作品に引き込まれるように工夫されていた感じがします。
衣装や舞台演出も、作品に引き込まれる魅力的要素のひとつに数えていいと思います。
クリスマス・シーズンを舞台にしたバレエ「くるみ割り人形とねずみの王様」。好きなバレエ作品がまた1つ増えました。

まとめ
- E.T.A.ホフマンの原作に忠実に振り付けされた作品。
- ドミニク・スラウコフスキーの踊りに魅了される。
- 衣装や舞台演出もすばらしい。
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