2020年(令和2年)1月20日0:00からNHK(BS)プレミアムシアターで放送されたミラノ・スカラ座2019/20開幕公演 歌劇「トスカ」。
録画したトスカを第1幕まで観たのですが、2月10日頃からテレビに異変が…
突然、音声が消えたり、画面がフリーズしたり…
結局のところ、トスカを録画したブルーレイディスクレコーダーの故障でした。
トスカを観終えていない私のとった行動は?
この記事では次の3点を中心にご紹介します。
- 録画したクラシック関連の映像作品が故障した場合の対応について
- 動画配信サービス(VOD)でもプレミアムシアターは観ることができる!
- 2019年12月7日 ミラノ・スカラ座で上演されたプッチーニの歌劇「トスカ」について
歌劇「トスカ」とは

トスカは全3幕で構成される歌劇(オペラ)です。台本を書いたのはプッチーニではなく、ルイージ・イッリカとジュゼッペ・ジャコーザの二人です。
トスカの台本は当初、別の作曲家のものだったのいうのは興味深いところです。トスカの台本の権利を得たプッチーニは、約3年間を費やして1899年(明治32年)に歌劇「トスカ」の作曲を完成させます。
歌劇「トスカ」の初演は1900年(明治33年)に、ローマのコスタンツィ劇場にて行なわれました。批評家からは良い評価を得られなかったようですが、観客は熱狂したようです。
コンテストや○○際で賞を得るためかな。
もしかすると、売り上げを意識して徹底的なマーケティングを行なったうえで客のために作る人もいるだろうね。
当然、お金や栄誉も求めている可能性もある。
もしかすると、そのどれでもない人もいるかもしれない。
自分の作りたいものを追求するというスタイルもあり得る。
但し、後世にまで残る作品は、少なくとも一定数の人々の認知を得て評価もされなければならないはず。
「良いものでも知られなければ存在しないと同じ」というようなことも耳にするからね。
映画や音楽、書籍などのコンテンツがデジタル化されることで、ニッチなジャンルにも人々が関心を持ちやすくなったと。
確かにそうなっていると思うな。
デジタルコンテンツは在庫費用の心配がほとんど必要ないからね。
これまでは劇場や書店、CDショップなどの限られたスペースで売れそうな一部のコンテンツだけが上映され、商品棚に陳列されていたけれど、今後名作と呼ばれるようになる作品は、これまでとは全く違った生まれかたをするのかもしれないね。
歌劇「トスカ」のあらすじ

はじめにお伝えしますね。歌劇のタイトルになっている「トスカ」とは、ローマの歌姫で主人公の女性の名前です。
歌劇「トスカ」の舞台設定は、1800年のローマ。ヨーロッパではナポレオンの軍事力が話題になっていたころです。
物語は聖アンドレア・デラ・ヴァレ教会の礼拝堂からはじまります。トスカの恋人カヴァラドッシは、教会からの依頼で絵を描いていました。
カヴァラドッシと堂守のやり取りが、コミカルに歌われる場面も楽しみのひとつ。
その後、堂守が去り一人になるカヴァラドッシ。
そこに友人であるアンジェロッティが逃げ込んできます。その教会はアンジェロッティの親族の所有だったのです。アンジェロッティは政治犯として囚われていましたが、脱獄して追われる身となっていました。聖アンドレア・デラ・ヴァレ教会の礼拝堂には、アンジェロッティの妹が逃亡手段を用意しているはずでした。
カヴァラドッシはアンジェロッティに自分の別荘(トスカとの隠れ家的な場所)に隠れるように告げます。その別荘には井戸があり、上から見えないように横に隠れるスペースが掘られていたのです。
そこにトスカが登場します。トスカは美貌の持ち主で、ローマで人気の歌姫です。
礼拝堂に入る前、カヴァラドッシが小声で話すのを聞いたトスカ。恋人のカヴァラドッシがソワソワしている様子から、浮気を疑います。トスカは勘が鋭く、嫉妬深い女性として描かれています。
恋人とのやり取りの後、トスカはカヴァラドッシとの再会を約束し、礼拝堂を後にします。
逃亡中のアンジェロッティは、妹の準備した逃亡用の女性服を見つけ出します。そして、友人のカヴァラドッシの指示通りに身をひそめることに。
ところが、アンジェロッティはミスを犯します。逃亡用のアイテムのひとつである扇を持ち出すのを忘れてしまうのです。
そこに逃亡犯を追っている警視総監スカルピアが登場します。部下が扇を発見し、証言集めにより、アンジェロッティが礼拝堂に居たことのではないかと推察します。
警視総監スカルピアは、部下の報告からカヴァラドッシを疑います。
礼拝堂に戻ってきたトスカ。警視総監スカルピアは扇を見せ、敢えてトスカの恋人に対する嫉妬心を煽ります。
立ち去るトスカを尾行するように部下に命じる警視総監スカルピア。スカルピアは、逃亡犯を捕縛するとともにトスカも自分のものにしようと画策します。
場面は警視総監スカルピアが居城にしているファルネーゼ宮殿へと変わります。スカルピアは、トスカの仕事が終わり次第、ファルネーゼ宮殿に来させるように部下に命じます。
スカルピアの部下のひとりスポレッタは、逃亡犯を取り逃がしたことを報告にやって来ます。叱責は受けますが、カヴァラドッシの身柄を拘束してきたことで面目を保ちます。
スカルピアの執拗な尋問に屈しないカヴァラドッシ。スカルピアはカヴァラドッシを拷問にかけるよう部下に命じます。
呼び出しに応じてファルネーゼ宮殿に来たトスカ。警視総監スカルピアは、カヴァラドッシの苦しむ声をトスカに聞かせて、隠れ家を白状させることに成功します。
スカルピアの前に連れ戻される傷ついたカヴァラドッシ。
カヴァラドッシは、トスカが隠れ家をバラしたことで彼女を責めます。
スカルピアの命令により、カヴァラドッシは牢屋に入れらてしまいます。後を追いかけようとするトスカをスカルピアは呼び止めて、恋人を助けるために自分と一夜を過ごすように責め寄ります。
追い詰められるトスカは、「歌に生き、愛に生き」を歌いあげます。
そこにアンジェロッティが自殺したと報告が入ります。
スカルピアはトスカの条件を受け入れ、カヴァラドッシを助命することを約束し、二人の逃亡のために通行証を用意します。警視総監スカルピアは、形式的であろうとカヴァラドッシの処刑は執り行う必要がある。しかし、銃に弾丸は込めさせない、と言うのでした。
トスカに迫るスカルピア。トスカは食卓にあった食事用のナイフを警視総監スカルピアに…
自分のしたことに震えつつ、トスカはその場を立ち去ります。
場面は処刑場へと移ります。
自らの死を覚悟したカヴァラドッシは、トスカに手紙を書かせてくれるように看守に求めます。最後の財産ともいえる指輪と引き換えに。
トスカとの別れを嘆くカヴァラドッシ。そこにトスカが登場して、処刑は見せかけであり、逃亡するための通行証を示します。そして警視総監に対して行なったことも。
カヴァラドッシはトスカの愛と勇気を称える歌を歌いあげます。
そして処刑のときがきます。一斉に鳴り響く銃声。カヴァラドッシは倒れます。
人気が無くなったのを見計らい、カヴァラドッシを起こしに行くトスカ。ところが…処刑は見せかけではなかったのです。
時を同じくして、スカルピアの死を知った部下がトスカを捕まえようと追ってきます。
カヴァラドッシの死を悲しみつつ、トスカは自身を捕縛しようとする者たちの手を逃れ、屋上から身を投げるのでした。
プッチーニについて

イタリアを代表する音楽家のひとりで、「蝶々夫人」「ラ・ボエーム」「トスカ」などの歌劇(オペラ)で有名なプッチーニの生涯については、『すぐわかる!プッチーニとは』をご参照ください。

わたなびはじめの感想:ミラノ・スカラ座 2019/20シーズン開幕公演 歌劇「トスカ」について

結局のところ、トスカは悲劇の物語です。
主人公はトスカと恋人のカヴァラドッシでしょうが、警視総監スカルピアもかなりの時間歌い続けます。物語の最初に登場した堂守も、コミカルでいい味を出せる役柄です。
今回鑑賞したミラノ・スカラ座の歌劇「トスカ」は、2019年12月7日に行なわれたシーズン開幕公演でした。ローマ初稿版による演奏で、鑑賞時間(動画配信時間)は142分です。
驚いたのは舞台装置のスゴさです。回転し、競りあがる舞台装置とセットの重厚感には驚かされました。ダヴィデ・リーヴェルモルによる新演出です。
トスカは現代の歌姫アンナ・ネトレプコが演じました。カヴァラドッシはフランチェスコ・メーリが、スカルピア役はルカ・サルシ。
ミラノ・スカラ座管弦楽団による演奏で、ミラノ・スカラ座合唱団も登場します。座管弦楽団の指揮は、音楽監督のリッカルド・シャイー。
ミラノ・スカラ座管弦楽団が、イタリア国歌「イタリアの兄弟よ」を演奏して始まりました。
私はオペラの歌い方に少々苦手意識を持っていますが、今回のアンナ・ネトレプコが歌い上げた「歌に生き、愛に生き」は聴きやすいどころか、聴きごたえ満点でした。歌い終わった後の観客の拍手も、盛大でした。
舞台装置に関しては、迫力を感じるだけでなく驚く場面もありました。第2幕のスカルピアの部屋の上に掛けられている絵画が、ときどき動くのです。
まるでハリー・ポッターのホグワーツ城みたいでした。
第3幕でのプロジェクションマッピングも美しかったですね。
ですが、個人的にはオペラに滑稽さも感じてしまいます。どんな小さなセリフにもメロディが付いているのですから。
普通にドラマ仕立てで制作したら、半分ほどの時間で済んでしまうような内容を、歌と演奏、さらに演出で魅せるのです。
会場(ミラノ・スカラ座)で鑑賞したなら、おそらくは引き込まれてしまったことでしょう。もちろん、第1幕だけ見て、第2幕以降は別の日に観ることもできませんし、そんな気にもならなかったと思います。
ミラノ・スカラ座管弦楽団とオペラ歌手の連携も見事でした。リッカルド・シャイーの指揮が素晴らしかったということでしょう。
上演後の舞台あいさつでは、スカルピア役(ルカ・サルシ)には大きな拍手が送られていました。
私も同感です。
ルカ・サルシはミラノ・スカラ座管弦楽団も称えていました。
カヴァラドッシ役(フランチェスコ・メーリ)とトスカ役(アンナ・ネトレプコ)には、さらに盛大な拍手が送られていました。
舞台挨拶の手順もカッコよく、関係者が協力して作品「トスカ」を作り上げていることが伝わってきました。
ブルーレイディスクレコーダーの故障は非常に残念でした。しかし、動画配信サービス「U-NEXT」を利用してでも、今回の歌劇「トスカ」を観る価値はあったと思っています。
ブルーレイディスクレコーダーの故障とトスカと動画配信サービス(VOD)

ミラノ・スカラ座2019/20開幕公演 歌劇「トスカ」についてお伝えする前に起こった我が家の出来事を書かせてください。
数年前、地デジ化が進み、テレビの買換えと同時に購入したブルーレイディスクレコーダー。こんな終わり方が訪れるとは、思ってもみませんでした。
2020年2月10日くらいにテレビを観ていた際、音声が聞こえなくなるといった事象が起きました。「たまたま、電波受信の不具合が生じたのだろう」と高をくくっていましたが、翌日も同じ事象が…
これはまずいかもしれない…
そう思わざるを得ない状況でした。
そして2月12日、ブルーレイディスクレコーダーが反応しなくなりました。
コンセントの抜き差しや電源ボタンの長押しを試しましたが無駄でした。
ハードディスクには録画した番組が残っていました。歌劇「トスカ」も第1幕まで観た状態です。
しかし、これは完全にブルーレイディスクレコーダーの故障だと認めざるを得ませんでした。
そして視聴途中のミラノ・スカラ座2019/20開幕公演 歌劇「トスカ」を観る方法を探すことに。
思いついたのは動画配信サービス(VOD)でした。
その数日前に、たまたま無料体験サービスに惹かれて加入した動画配信サービス(VOD)「U-NEXT(ユーネクスト)」で、プレミアムシアターが見られないかをすぐにチェックしたところ、観られることが分かりひと安心。
そこで、U-NEXT(ユーネクスト)で歌劇「トスカ」を視聴するに至りました。
U-NEXT以外の動画配信サービス(VOD)でプレミアムシアターは観れるの?NHKオンデマンドとAmazon Prime Video

ミラノ・スカラ座2019/20開幕公演 歌劇「トスカ」を含むNHKの番組「プレミアムシアター」は、NHKオンデマンドで観ることができます。
このことに気が付いたのは、U-NEXT(ユーネクスト)で「トスカ」を観終えた翌日、今日のことした。
NHKオンデマンドに加入すれば、プレミアムシアターのコンテンツを観ることができます。そのためには、月額990円かかります。(2020年3月からNHKオンデマンドのサービス体系が変わるようですが…)
プレミアムシアターを含むNHKオンデマンドを視聴できる動画配信サービス(VOD)は、他にもあります。U-NEXT(ユーネクスト)もそのひとつです。
他にもあります。ネットショッピングでAMAZON(アマゾン)を利用している方の中にはAmazon Prime(アマゾン プライム)を申し込んでいる方もいらっしゃることでしょう。
Amazon Prime(アマゾン プライム)にはPrime Video(プライム ビデオ)という動画配信サービスも付属しています。私はほとんど利用していませんでした。
驚いたのは、アマゾンのPrime Video(プライム ビデオ)からもNHKオンデマンドを視聴できることです。但し、別途・月額990円必要になります。
私は無料体験でU-NEXT(ユーネクスト)の動画配信サービスを申し込んでいたので、実質無料でそちらを利用しました。(ポイントが600円分もらえるので。)しかし、アマゾンのPrime Video(プライム ビデオ)でも、プラス990円(月額)でプレミアムシアターを視聴できたのです。
動画配信サービスは便利ですが、複数のサービスがあるので迷ってしまいます。観たいコンテンツの有無や料金によって、お好みの動画配信サービス(VOD)を選択して利用すると便利です。
私のように有名オーケストラの演奏や歌劇(オペラ)といったクラシック音楽ファンにとっても、ありがたいサービスです。
ここでは、2020年2月現在、無料体験キャンペーンを展開している動画配信サービス(VOD)「U-NEXT(ユーネクスト)」をご紹介いたします。
動画配信サービス(VOD)・U-NEXT(ユーネクスト)でのトスカ視聴について
動画配信サービス「U-NEXT(ユーネクスト)」では、31日間無料体験サービスが行なわれていました。(2020年2月時点)
トスカの視聴には220円支払う必要がありましたが、600円分のポイントが付与されていたので、実質無料で観ることができました。視聴期間は1週間くらいなのでしょうか。一夜明けた現在、再度画面を開くと、「購入済み」の横に「あと6日で終了」と表示されています。
私はパソコンの画面で視聴しました。つなげることができれば、テレビの大画面でも観られたのかもしれません。
たまたま加入していた動画配信サービス「U-NEXT(ユーネクスト)」で、プレミアムシアターで見逃したオペラをはじめとするクラシック音楽の映像コンテンツを楽しめると知れてよかったです。しかも実質無料で!
U-NEXT(ユーネクスト)はコンテンツ量が非常に多いようなので、プレミアムシアター以外にも見たい動画がたくさんありました。「観放題」コンテンツのクイーンやオアシスの映像も観ていました。
あなたも見逃した番組だけでなく、観たい作品を「U-NEXT(ユーネクスト)」で見つけませんか?
まとめ
- ミラノ・スカラ座 2019/20シーズン開幕公演 歌劇「トスカ」は見応え抜群の作品。
- リッカルド・シャイー率いるミラノ・スカラ座管弦楽団の演奏もすばらしい。
- ブルーレイディスクレコーダーの故障は悲しかったが、動画配信サービス「U-NEXT」の無料体験サービスで視聴できて満足。