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リムスキー=コルサコフ作曲「シェエラザード」(あらすじ有)|カラヤン&ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

シェエラザード・イタリア奇想曲・1812年
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今回ご紹介するのは、リムスキー=コルサコフ作曲の交響組曲「シェエラザード」です。

指揮はヘルベルト・フォン・カラヤン、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏です。

交響組曲「シェエラザード」はドラマチックな演奏が魅力的な交響組曲で、個人的に大好きな作品です。

■リムスキー=コルサコフ≪シェエラザード≫/チャイコフスキー≪1812年≫≪イタリア奇想曲≫

  • 指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
  • 演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  • ヴァイオリン:ミシェル・シュヴァルベ
  • 合唱指揮:セルゲイ・ヤーロフ
  • 合唱:ドン・コサック合唱団
  • グラモフォンレコード
  • 発売元:ユニバーサル ミュージック株式会社【UCCG 9784】

リムスキー=コルサコフ作曲「シェエラザード」とは

シェエラザード・イタリア奇想曲・1812年

交響組曲「シェエラザード」は、1888年(明治21年)にリムスキー=コルサコフによって作曲されました。

アラビアンナイト(千夜一夜物語)を題材にしているため、ドラマチックで物語性を感じる組曲です。

シェエラザードは、ササン朝ペルシャの王シャリアールの王妃です。ササン朝ペルシャは実在した国家ですが、シャリアールとシェエラザードはアラビアンナイトに登場する架空の人物です。

シェエラザードのあらすじ

妻が原因で女性不信になったシャリアール王は、街の娘を妻にしては次々に命を奪ってしまいます。

そのようなシャリアール王の愚かな行為をやめさせるべく、大臣の娘だったシェエラザードが王妃になることを願い出ます。まさに、命がけの行為です。

シェエラザードは千と一夜にわたって王に物語を話し続けます。シャリアール王が興味を示したところで、「続きは明日の夜に」と焦らします。

そのように命を保ち続けたシェエラザード。最後的にシャリアール王はシェエラザードを正妻に迎え、愚行をやめるのでした。

交響組曲「シェエラザード」の構成

「シェエラザード」は4つの物語で構成されています。
【 】は今回聴いたCDの演奏時間です。

■第1組曲「海とシンドバッドの船」【10分01秒】

シャリアール王を象徴する残忍な冒頭部のにつづいてシェエラザードの旋律へと移ります。ヴァイオリンの音色が、シェエラザードを妖艶な女性像をイメージさせます。

主題は、大海原を航海する船の壮大なドラマを演出しています。

■第2組曲「カレンダー王子の物語」【12分51秒】

カレンダー(カランダール)とは、諸国を行脚する苦行僧のことのようです。

はじまりはシェエラザードの旋律で。その後、カレンダー王子を象徴する主題に移ります。

中間部では金管楽器のファンファーレが印象的です。不気味で不穏な気持ちにさせる展開も作品に引き込まれていく要因に。

その後に続く木管楽器でのシェエラザードと、カレンダー王子の主題がドラマチックな展開をみせます。ハープの音色も幻想的なムードを効果的に演出しています。

静けさから一変。ラストは怒濤のごとき力強さでバサッと終わります。

■第3組曲「若い王子と王女」【10分41秒】

複数のヴァイオリンが序盤を形成します。

非常に優雅な雰囲気を漂わせています。

途中、「これはヴァイオリン協奏曲か?」と思わせる、美しさを持っています。静かなラストも逆に刺激的!

■第4組曲「バグダットの祭り、海、船は青銅の騎士のある岩で難破、終曲」【12分56秒】

冒頭は目が覚めるような響きではじまります。シャリアール王とシェエラザードの主題が交差。

祭りの雰囲気と賑やかさを音楽で表現しています。曲は徐々に盛り上がりつつ、最高潮で荒波で難破する船をイメージさせます。

ラストは悲しみと寂しさを帯びたヴァイオリンが奏でられ、静かに幕を下ろします。

交響組曲「シェエラザード」は、まさに物語を音楽で聴いているような作品です。

リムスキー=コルサコフとは

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わたなびはじめの感想:リムスキー=コルサコフ「シェエラザード」について

シェエラザード・イタリア奇想曲・1812年

カラヤンが交響組曲「シェエラザード」の録音をしたのは、1967年(昭和42年)の1度だけです。さらには、コンサートホールでの演奏はしていないとか…

そう考えると、このCDで交響組曲「シェエラザード」を楽しめるのは、貴重なことなのかもしれません。

どことなく、オリエンタルなムードを帯びたこの作品は、聴いていて全く飽きのこない作品です。個人的には、そこに魅力を感じているのだと思います。

リムスキー=コルサコフは管弦楽法の教授を務めた人物です。教えるだけでなく、自分の作品でその力量をしっかりと示していることには感服します。

当初、今回ご紹介しているCD「リムスキー=コルサコフ≪シェエラザード≫/チャイコフスキー≪1812年≫≪イタリア奇想曲≫」は、序曲「1812年」が目的で購入したものです。

しかし、リムスキー=コルサコフのシェエラザードにもすっかり魅了されてしまいました。嬉しい誤算というか、思ってもいなかったプレゼントをもらったような気分でした。

まとめ

リムスキー=コルサコフ「シェエラザード」
  1. 交響組曲「シェエラザード」はリムスキー=コルサコフの代表作。
  2. 物語性が強く、ドラマチックで飽きのこない作品。
  3. オーケストレーションが絶妙。

■関連CDのご案内です。
    

指揮ヘルベルト・フォン・カラヤン、演奏ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によるリムスキー=コルサコフの「シェエラザード」とチャイコフスキー「イタリア奇想曲」、大序曲「1812年」です。

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