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第1回印象派展の出品作品?クロード・モネ作「キャプシーヌ大通り」|ブリヂストン美術館「モネ展」より

モネ展_クロード・モネ作「キャプシーヌ大通り」【アイキャッチ】
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モネが第1回印象派展に出品した作品のひとつである「キャプシーヌ大通り」。

実はモネの作品には同名の作品が2点存在しています。もしかすると、今回ご紹介する作品が第1回印象派展に出品された作品なのかもしれません。

寒々しい景色の中、人々の往来で賑わう「キャプシーヌ大通り」の風景からはパリの躍動感を感じます。

1994年(平成6年)にブリヂストン美術館で開催された「モネ展」の図録をもとに、記憶をたどりつつ想いを馳せてしてみました。

クロード・モネ作「キャプシーヌ大通り」とは

モネ展_クロード・モネ作「キャプシーヌ大通り」
  • 制作年:1873年
  • サイズ:79.4 × 60.6cm
  • 油彩、キャンヴァス

Googleマップで確認したところ、キャプシーヌ大通りはルーブル美術館から歩いて15分強のところにある大通りのようです。道順にもよりますが、1.1~1.4km程しか離れていません。

現地に行ったことがないので正確にはお伝えできませんが、ルーブル美術館の近くにあるオペラ通りを進み、その突き当りで交差するのがキャプシーヌ大通りのようです。

パリ・オペラ座も近くにあるので、さぞかし華やいだ大通りなのでしょう。

ところでキャプシーヌ大通りの名称についてですが、「Le Boulevard des Capucines」をモネ展の図録では「キャプシーヌ大通り」としています。

ところがGoogleマップでは「カプシーヌ通り」、その他では「キャピュシーヌ大通り」といったように若干の相違がみられます。

わたなびはじめ
わたなびはじめ
東京スカイツリーを「トウキョウ スカイトゥリー」と表記するような感じかな?

モネは「キャピュシーヌ大通り」というタイトルを持つ作品を2点制作しています。
所蔵している美術館は次の通りです。

  • ネルソン=アトキンズ美術館所蔵(アメリカ)
  • プーシキン美術館所蔵(ロシア)

今回ご紹介しているのは、ネルソン=アトキンズ美術館が所蔵している「キャプシーヌ大通り」です。

モネが「キャプシーヌ大通り」を描いた場所は、パリのキャプシーヌ大通り35番地にあった写真家ナダールのスタジオだったと推測されています。

作品を制作したのは1873年(明治6年)の晩秋です。この作品の持つ寒々しい雰囲気が季節感を物語っています。

私は一応北国育ちなので、寒々しい光景は見慣れています。ですが、この作品左側に描かれているような歴史を感じさせる建物が建ち並ぶ大通りの風景は見たことがありません。東京で例えるなら、丸の内とか銀座といった感じになるのでしょうか。

中央に立ち並ぶ木々を境として、左側が馬車道、右側が歩道のように思われます。

正確にはわかりませんが、当時のキャプシーヌ大通りには石が敷き詰められていたのだと想像しています。路面の白っぽさは石畳を描いたのか、薄っすらと積もる雪を描いたのか気になるところです。雪だとすると、秋に降る雪ということで情緒を感じますね。

人々は大雑把な筆触で描かれていますが、それでも充分に存在感があり違和感を感じません。

画面右下付近にあるピンク色の球体は風船でしょうか? そのさらに右上(画面ギリギリ)には帽子をかぶった人物が黒く描かれています。

モネが描いた「キャプシーヌ大通り」は、全体的に青白い雰囲気の都会の風景に仕上がっています。個人的には非常に好きな雰囲気の作品です。

第1回印象派展について

後世の私たちは当然のことのように「第1回印象派展」と呼びますが、当初は違う名称の展覧会でした。

正式には「画家、彫刻家、版画家などによる共同出資会社の第1回展」という名称だったのが、のちに「第1回印象派展」とは呼ばれるようになったのです。

第1回印象派展に出品されたのは?

2点存在する「キャプシーヌ大通り」のうち、どちらが印象派展に出品されたのでしょうか?

実は「第1回印象派展」の出品目録には「97番≪キャプシーヌ大通り≫」と記されているだけで、ネルソン=アトキンズ美術館とプーシキン美術館のどちらが所蔵している作品かはわからないとのことです。

それともうひとつ。

第1回印象派展が開催された場所は、モネが「キャプシーヌ大通り」を描いた場所、すなわち写真家ナダールが使用していたスタジオだったのです。

第1回印象派展に足を運んだ人々は、モネの描いた「キャプシーヌ大通り」の光景を実際に目にすることができたはずです。

クロード・モネとは

クロード・モネとは

クロード・モネについての紹介は『すぐわかる!クロード・モネとは|印象派を代表する画家の生涯』をご参照ください。

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わたなびはじめの感想:クロード・モネ「キャプシーヌ大通り」について

フランス・パリ オペラ通りフランス・パリ【オペラ通り】

「キャプシーヌ大通り」を図録で見直しながら、あらためて私は風景画が好きなのだと実感しています。

このような作品が部屋に飾られていたら、とてもシャレた気分になれそうです。

フランスと言えば真っ先に「シャンゼリゼ通り」が思い浮かびますが、「キャプシーヌ大通り」も魅力的ですよね。モネの描いた時点から150年程経った現在、どのような様子になっているのかも気になります。

いつの日かルーブル美術館やオペラ座に行く機会に恵まれたなら、オペラ通り経由してキャプシーヌ大通りも歩いてみたいものです。画家が画題に選んだシチュエーションを確かめてみるのもおもしろそうですから。

最後に、いつものわたなび流の感想で終わりたいと思います。
クロード・モネ作「キャプシーヌ大通り」は、「自宅で鑑賞したい(欲しい)と思える作品」です。

プーシキン美術館が所蔵している「キャプシーヌ大通り」もステキな作品ですよ!

まとめ

モネ作「キャプシーヌ大通り」
  1. 「キャプシーヌ大通り」は2点存在している。
  2. モネは第1回印象派展に「キャプシーヌ大通り」という作品を出品した。
  3. 第1回印象派展に来た人たちは「キャプシーヌ大通り」と同じアングルを通りを眺めることができたはず。

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