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貴婦人の肖像画!ゴヤ、フランシスコ・デ作「ドニャ・タデア・アリアス・エンリケス」|国立西洋美術館「スペイン王室コレクションの美と栄光 プラド美術館展」より

プラド美術館展_23_ゴヤ、フランシスコ・デ「ドニャ・タデア・アリアス・エンリケス」【アイキャッチ】
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特徴的なファッションと髪型をした貴婦人の肖像画、フランシスコ・デ・ゴヤの描いた「ドニャ・タデア・アリアス・エンリケス」です。

2002年(平成14年)に国立西洋美術館で開催された「スペイン王室コレクションの美と栄光 プラド美術館展」の図録をもとに回想してみます。

フランシスコ・デ・ゴヤ作「ドニャ・タデア・アリアス・エンリケス」とは

プラド美術館展_ゴヤ、フランシスコ・デ「ドニャ・タデア・アリアス・エンリケス」
  • 制作年:1789年頃
  • サイズ:191.0 × 106.0cm
  • 油彩、カンヴァス

「スペイン王室コレクションの美と栄光 プラド美術館展」の図録には、「ドニャ・タデア・アリアス・エンリケス」という人物についての解説が載っていました。

ゴヤの描いた「ドニャ・タデア・アリアス・エンリケス」とは?

タデア・エンリケスは1770年(明和7年)にスペインのバレンシア県カストロモチョに生まれ、85歳まで生きた方だそうです。

タデア・エンリケスは、その生涯に3度結婚しています。

1度目の結婚相手トマス・デ・レオンは、結婚時には引退していたもののアメリカ連隊の大尉だった人物です。タデア・エンリケスと結婚した約4年後に亡くなっています。

わたなびはじめ
わたなびはじめ
画面左下にある紋章は、レオン家とアリアス家のものだそうだよ!

2度目の結婚はトマス・デ・レオンが亡くなった同じ年で、ペドロ・エンリケス・イ・ブラボとの再婚でした。そしてベレス・マラガに移り住みます。

ベレス・マラガは、スペイン・アンダルシア州マラガ県にある基礎自治体で地中海に面しています。夏の観光時期にはトレ・デル・マル海水浴場などが賑わうようです。

ペドロ・エンリケス・イ・ブラボは、沿岸警備歩兵の中隊長を務めており、ベレス・マラガの終身議員でもありました。悲しいことにペドロ・エンリケス・イ・ブラボも亡くなってしまいます。

タデア・エンリケス3度目の結婚相手は、フェルナンド・デ・ビリャヌエバ・イ・パルドスです。

タデア・エンリケスのファッションなどについて

ゴヤが描いた「ドニャ・タデア・アリアス・エンリケス」の服装は、1700年代後半のロココ風のファッションです。

肖像画によくみられる貴族の豪華なドレスとは違い、時代がグーンと現代に近づいた印象を受けますよね。(私だけでしょうか?)

薄いピンク色のドレスを白い色のレースが覆っているようで、腰に巻かれた黒色のリボンが印象的です。手袋をしたその指先までエレガントに描かれています。

顔は少し表情が乏しいようですが、肖像画であることを考えると不自然ではありません。

個人的に一番視線を惹きつけられたのは彼女の髪型です。肩まで伸びた髪はカールで整えられていて、頭部はふわっふわ。

髪型や服装全体から受ける印象からは不自然さはなく、上品さを感じます。

わたなびはじめ
わたなびはじめ
とはいえ、もしも現代に街中ですれ違ったら、注視してしまいそうな気がします。

スラっとした気品漂うたたずまいで、背景は屋外のようですね。

正面を見ているのではなく、鑑賞者から見て少し左を向いているポージングによって、ゴヤはこの貴婦人をより美しく描いているように思います。

フランシスコ・デ・ゴヤとは

スすぐわかる!フランシスコ・デ・ゴヤとは

フランシスコ・デ・ゴヤの生涯については、『すぐわかる!フランシスコ・デ・ゴヤとは』をご参照ください。

スすぐわかる!フランシスコ・デ・ゴヤとは
すぐわかる!フランシスコ・デ・ゴヤとは18世紀から19世紀にかけて活躍したスペインの画家フランシスコ・デ・ゴヤとは、どのような生涯を送ったのでしょうか?わかりやすくご紹介します。...

わたなびはじめの感想:ゴヤ「ドニャ・タデア・アリアス・エンリケス」について

スペイン・マラガスペイン・マラガ

1780年代の後半のゴヤは、肖像画家としての知名度が高まってきていました。

スペインの・マドリードの貴族の肖像画の依頼も増えていたことでしょう。

ゴヤの描いた「ドニャ・タデア・アリアス・エンリケス」という肖像画を2002年(平成14年)に国立西洋美術館で鑑賞したときの記憶は、正直なところおぼろげです。

わたなびはじめ
わたなびはじめ
肖像画というジャンルにもあまり興味がなかったからなぁ…

しかし「スペイン王室コレクションの美と栄光 プラド美術館展」の図録で観直すと、同時代の他の肖像画とは少し違うような気がしました。

その違和感(?)は、おそらく肖像画に描かれた女性タデア・エンリケスの髪型とファッションが原因だと思うのです。この違和感(?)は決して悪いということではなく、特徴的といったニュアンスの方が強いものです。

ゴヤが貴婦人の全身を丁寧に描いていたのが伝わってくる作品だと思います。

最後に、いつものわたなび流の感想で終わります。
フランシスコ・デ・ゴヤの描いた「ドニャ・タデア・アリアス・エンリケス」は、「美術館などで鑑賞したい作品」です。

美し作品ですが、私の住まいで鑑賞するのは少し場違いな気がしてなりませんから…

まとめ

ゴヤ「ドニャ・タデア・アリアス・エンリケス」
  1. 「ドニャ・タデア・アリアス・エンリケス」は、ゴヤが肖像画家としての名声を確立し始めた頃の作品。
  2. 肖像画に描かれている貴婦人のファッションは、1700年代後半のロココ風。
  3. 髪型も特徴的な印象を受ける。

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