美術作品

魅力的な表情!ピエール=オーギュスト・ルノワール作 「コンセルヴァトワールの出口」|国立西洋美術館「バーンズ・コレクション展」より

バーンズコレクション_ピエール=オーギュスト・ルノワール作「コンセルヴァトワールの出口」

1994年(平成6年)に国立西洋美術館で開催された「バーンズ・コレクション展」には、私の絵画鑑賞の幅を広げてくれる作品が多数展示されていました。

その中のひとつ、ピエール=オーギュスト・ルノワール作「コンセルヴァトワールの出口」の感想をお伝えします。

ピエール=オーギュスト・ルノワール作 「コンセルヴァトワールの出口」

バーンズコレクション_ピエール=オーギュスト・ルノワール作「コンセルヴァトワールの出口」

■ピエール=オーギュスト・ルノワール作「コンセルヴァトワールの出口」

  • 制作年:1877年
  • サイズ:187.3 × 117.5cm
  • 油彩、カンヴァス

ルノワールは、自分の身近な人物(モデルや兄弟ら)を役者や音楽家を志している人たちに見立てて「コンセルヴァトワールの出口」を描きました。

実際には意図的に設計された場面でありながら、何げない日常の出来事のように自然な雰囲気で描き上げているところに、ルノワールらしさを感じます。

男性の服装は黒く、女性の服装も華やかな色合いではありません。さらには背景も地味ですよね。

それでいて、作品全体の印象は非常に華々しい印象を与えます。二人の女性の表情や髪の毛の明るい色合いで、明るくやわらかい雰囲気を演出しています。

わたなびはじめ
わたなびはじめ
縦長の画面に、人物の全身を入れ込むのはカッコいいよね!

狭い空間に人物の全身を描き込むことで、親密な雰囲気を想像させています。衣装も含めて、女性の美しさを最大限に演出しているかのようです。

コンセルヴァトワールとは

ウィキペディアによると、コンセルヴァトワールについて次のような説明がされています。

コンセルヴァトワール(仏:Conservatoire)とは、フランス共和国における文化遺産、自然遺産を経年劣化から防ぎ、管理、推奨することを目的とした特定の公的機関、組織を指す呼称である。音楽、舞踊、演劇、工芸技術などの文化的価値を保持し教育する文化保全機関、および動植物、森林や沿岸、地中などの自然環境の保護、修復を目的とした環境保全機関がある。

出典:ウィキペディア「コンセルヴァトワール

私は勝手な思い込みで「コンセルヴァトワール」のことを、芸術学校の名称だと思っていました。まさか、組織を指す呼び名だとは…。

コンセルヴァトワールには、「フランス国立高等音楽院」や「フランス国立高等演劇学校」といった文化保全機関も含まれています。

少しややこしくなりますが、図録の解説によるとルノワールが描いた「コンセルヴァトワールの出口」は、「パリ国立高等音楽・舞踊学校」の出口のようです。「パリ国立高等音楽・舞踊学校」はフランス国立高等音楽院のひとつで、音楽や舞踊、音楽・音響を教える教育機関です。

但し、実際に描いたのはルノワールのアトリエ前の光景だったようです。

「コンセルヴァトワールの出口」の登場人物

ルノワールの描いた「コンセルヴァトワールの出口」に登場する人物は、ある程度わかっています。

バーンズ・コレクション展の図録の解説を基にご紹介しますね。

  • 画面左側の女性:ニニ・ロペスという名のルノワール作品に多数登場するモデルです。
  • 画面中央の女性:マルグリット·ルグランという名のモデルです。
  • 画面中央の男性:ルノワールの伝記を記すことになるジョルジョ·リヴィエール。ニニ・ロペスに面と向かって立っています。
  • 画面右側の男性:ルノワールの兄エドモンと推定されてます。ジャーナリストで髭が特徴的ですね。

ピエール=オーギュスト・ルノワールとは

すぐわかる!ピエール=オーギュスト・ルノワールとは

19世紀~20世紀のはじめに活躍した印象派の画家ピエール=オーギュスト・ルノワールの生涯については、『すぐわかる!ピエール=オーギュスト・ルノワールとは』をご参照ください。

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わたなびはじめの感想:ルノワール作「コンセルヴァトワールの出口」について

パリの街並みパリ・シャンゼリゼ通りの街並み。

国立西洋美術館で開催されたバーンズ・コレクション展で、ルノワールの本物の絵画作品を目にしたときは衝撃的でした。

「人が立ち話しているだけの姿を、こんなにも魅力的に表現できるのか…」と、驚き混じりの感動を受けたのです。

バーンズ・コレクション展では、ルノワールの作品が16点展示されていましたが、私にとっては「コンセルヴァトワールの出口」が一番印象的だったのです。

25年以上経た現在、その理由を考えてみたのですが、女性の温かみのある表情と美しさに惹き付けられたことが一番の理由でしょう。

その他の理由としては、衣服を纏っていない女性の姿を直視できなかったことが挙げられます。そういった作品が多数展示されていました。大勢の来館者であふれる会場で、立ち止まってじっくりと鑑賞する気持ちになれなかったわけです。

美しさを感じるよりも、恥ずかしさを感じてしまいました。(多分…)

その点、「コンセルヴァトワールの出口」はどれだけじっくり鑑賞しても人目が気になりませんでした。

純粋にルノワール作品の美しさを堪能できました。

最後にいつものごとく、わたなび流の感想を書かせていただきます。毎回おこがましさを感じて、心苦しくなるのですが…

ピエール=オーギュスト・ルノワール作「コンセルヴァトワールの出口」は「自宅に飾りたい(欲しい)と思えるすばらしい作品」です。

わたなびはじめ
わたなびはじめ
この感想、絶対に似つかわしくないことはわかっているので、勘弁してね。

まとめ

ルノワール「コンセルヴァトワールの出口」
  1. 登場人物はルノワールの兄弟やモデル。
  2. 何気ない日常会話の風景を魅力的に仕上げた作品。
  3. 大きな作品なのに、視線は女性の顔に惹き付けられる不思議な魅力がある。

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