美術作品

すばらしき素描!「ノアの犠牲」ガスパレ・ディツィアーニ|東京都庭園美術館 「プーシキン美術館所蔵 イタリア・バロック絵画展」より

プーシキン美術館 イタリア・バロック絵画展 ガスパレ・ディツィアーニ「ノアの犠牲」

1997年(平成9年)2月20日~3月30日、東京都庭園美術館で「プーシキン美術館所蔵 イタリア・バロック絵画展」が開催されました。

それ以降、東京都庭園美術館には足を運んだ記憶があやふやな状態です。もしかすると東京都庭園美術館に足を運べば、当時のことをある程度は思い出せるかもしれません。(街の風景はだいぶ変わっているかもしれませんが…。)

私はヨーロッパの国々に実際に行った経験がありません。しかし、テレビや映画、書籍などで拝見する限り、イタリアの街並みは非常に芸術的で魅力を感じます。日本の古都とはまた違った美しさを感じるのです。

ベネツィアやローマ、フィレンツェなど、まさにイタリア・バロック絵画にゆかりのある街に行ってみたいです。

自分が海外旅行に行けるのはいつになるかわかりませんが、日本に絵画などの美術品が来た際には、積極的に足を運びたいところです。

今回は、上述の「プーシキン美術館所蔵 イタリア・バロック絵画展」の図録の中から、私がステキに感じた作品をご紹介します。

プーシキン美術館所蔵 イタリア・バロック絵画展」の魅力を1回では紹介しきれませんが、今回はガスパレ・ディツィアーニの作品「ノアの犠牲」についてお付き合いください。

ガスパレ・ディツィアーニ作「ノアの犠牲」とは

プーシキン美術館 イタリア・バロック絵画展 ガスパレ・ディツィアーニ「ノアの犠牲」
■ガスパレ・ディツィアーニ作「ノアの犠牲」

  • 制作年:1755~1760年頃
  • サイズ:28.9 × 46.0cm
  • ペン、茶の淡彩、赤チョーク

ガスパレ・ディツィアーニ作「ノアの犠牲」は油彩画「ノアの犠牲」の習作的存在のようですが、存在感十分の作品です。

作品のテーマは旧約聖書の創世記。大洪水で知られるノアとその家族です。

ノアは神様に対する信仰心の強い人物でした。おそらくは人々に嘲(あざけ)られるなか、箱舟を作り続けたのです。

人々に嘲笑(ちょうしょう)されながらも、確信を持って行動することは大変なことです。

結局はノアに示された通り、大水が全地を満たします。人々が後悔したときには、もう遅かったのです。

箱舟に乗り込んだ人は、ノアとその家族8人だけ。あとは動物や鳥などです。

その後地の表から水が引き、ノアたちは箱舟の外に出ます。

そしてノアが行なったのが、今回の作品で描かれている「犠牲を捧げることによる主なる神への感謝」です。

ノアとその家族は、自分たちを大洪水から救ってくださった主なる神に心からの喜びの気持ちで感謝をしたことでしょう。

ガスパレ・ディツィアーニはこの場面を見事に表現しています。その場面に立ち会っていて、目で見た瞬間を切り取ったかのようです。

この作品からはとても魅力的な存在感を感じます。神様、ノアの家族の仕草や表情、虹や動物の配置など、様々な要素が絡み合って発しているオーラのようなものが存在感を感じさせるのでしょう。

一番印象的なのは、神様の前に犠牲をささげ、ひざまずいて感謝をの気持ちを表すノアの描写です。胸元で手を握る姿からは敬虔さが漂っています。

画面右上(牛の上方にある丘)にあるのが箱舟でしょうか。

画面を上下に区分した場合、人物や動物で密集しがちな下部に対して、画面上段の右半分には虹のかかった空のスペースに用いられています。その効果で全体が窮屈な印象にならずに済んでいますね。

「ノアの犠牲」は、ドラマチックな人物の動きや情景を、限られた彩色で見事に表現されている作品だと思います。

ガスパレ・ディツィアーニについて

すぐわかる!ガスパレ・ディツィアーニとは

18世紀に活躍したイタリアの画家であるガスパレ・ディツィアーニについては、『すぐわかる!ガスパレ・ディツィアーニとは』をご参照ください。

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わたなびはじめの感想:ディツィアーニ作「ノアの犠牲」について

イタリア・ヴェネツィアイタリア・ヴェネツィア

私が絵を観るときには「欲しいか、欲しくないか」で判断することは自己&サイト紹介で書かせていただきました。

これだけ読まれると、非常に傲慢な感じを受けるかもしれませんね。

実は、自分の絵画を観る基準(ステキだと感じるポイント)を上手く表現できないのです。
絵画全体が放つ存在感というのか、雰囲気というのか、そういった感覚的なものなのなので…

欲しい」と感じた作品は自宅で飾りたいと思うことが多いです。(思うだけですよ。お金も飾れるような家もありませんから…)「すばらしい」と感じても、「この作品は美術館で鑑賞した方がいい」と思うことも多々あります。

私自身は絵画を描くわけではないですし、美術の専門的な教育を受けたわけでもありません。そのため、技術・技巧的な視点を持っているわけではありません。(美術検定の学習過程で、少しでも学びを深めたいところです。)

わたなびはじめ
わたなびはじめ
いつかは、実際に絵画に取り組んでみたいな。
現在とは違った観点で、作品の魅力に気付けるかもしれないからね。

最期に、わたなび流の感想で終わります。
ガスパレ・ディツィアーニ作「ノアの犠牲」は、まさに「自宅で鑑賞したい(欲しい)」と感じさせる魅力的な作品です。

東京都庭園美術館についての情報

プーシキン美術館所蔵 イタリア・バロック絵画展

東京都庭園美術館は旧朝香宮邸で、1983年(昭和58年)から東京都庭園美術館として一般に公開されるようになりました。歴史的建造物として、国の重要文化財に指定されています。

東京都庭園美術館の所在地と公式サイトのご案内です。

〒108-0071
東京都港区白金台5-21-9

東京都庭園美術館・公式サイト:【https://www.teien-art-museum.ne.jp/

まとめ

ガスパレ・ディツィアーニ「ノアの犠牲」
  1. 「ノアの犠牲」はガスパレ・ディツィアーニ円熟期の作品。
  2. 旧約聖書からテーマを選定。
  3. 1枚に込められた存在感に圧倒される作品。

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