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シューマン「ピアノ協奏曲 イ短調」|ツィマーマン(ピアノ)&カラヤン&ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

シューマン・グリーグ「ピアノ協奏曲」【ツィマーマン】
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ポーランド出身の世界的ピアニストであるクリスティアン・ツィマーマンの演奏でシューマン「ピアノ協奏曲 イ短調」を鑑賞した感想をご紹介します。

指揮はヘルベルト・フォン・カラヤン、管弦楽はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏です。

ピアノ曲を多く遺しているシューマンですが、ピアノ協奏曲として完成させたのは1作品のみというのも興味深いところです。

■シューマン・グリーグ「ピアノ協奏曲」/ ツィマーマン(ピアノ)

  • ピアノ:クリスティアン・ツィマーマン
  • 指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
  • 演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  • ドイツ・グラモフォン カラヤン・ゴールドシリーズ
  • 発売:ポリドール株式会社【POCG-9359】

シューマン作曲「ピアノ協奏曲」とは

ドイツ・ドレスデンドイツ・ドレスデン

ロベルト・シューマンはピアノ曲を多数作曲しています。自身がピアノニストを目指していたことも関係しているのでしょう。

しかしシューマンは、ピアノ協奏曲を「イ短調」の1作品のみしか完成させていません。ピアノ協奏曲「変ホ長調」「ヘ長調」「ニ短調」の制作には取り組んだものの完成しなかったのです。

わたなびはじめ
わたなびはじめ
「4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック」のピアノ協奏曲版を、シューマン自身が制作していることを含めると2作品とカウントできるかもね。

シューマンが「ピアノ協奏曲 イ短調」を完成させたのは1845年(弘化2年)のこと。

「ピアノ協奏曲 イ短調」の作曲の経緯をザックリご紹介すると、次のような感じになります。

1841年(天保12年 )、シューマンは「ピアノと管弦楽のための幻想曲」を書き上げます。その約4年後の1845年(弘化2年)に「ピアノと管弦楽のための幻想曲」を改作して、「ピアノ協奏曲 イ短調」として完成させたのです。

わたなびはじめ
わたなびはじめ
「ピアノと管弦楽のための幻想曲」を第1楽章にして、間奏曲(第2楽章)とフィナーレ(第3楽章)を追加したんだよ。

「ピアノ協奏曲 イ短調」の初演は、1846年(弘化3年)1月1日でした。ドイツ・ライプツィヒのゲヴァントハウスで、シューマンの奥さんであるクララがピアノソリストを務めています。

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わたなびはじめの感想:シューマン「ピアノ協奏曲」(ピアノ:ツィマーマン)について

シューマン・グリーグ「ピアノ協奏曲」【ツィマーマン】

ここからはカラヤン・ゴールドシリーズ【CD】に収録されたヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で、シューマンの「ピアノ協奏曲」を聴いた感想をご紹介します。ピアノのソリストは、クリスティアン・ツィマーマンです。
【 】は今回聴いたCDの演奏時間です。

■第1楽章【15分31秒】

劇的で短い序奏で始まります。すぐに主題へと移り、寂しさを伴ったピアノの音色が紡ぎだされます。管弦楽の響きは華やかさを持っているのが対照的です。

もともとが「ピアノと管弦楽のための幻想曲」のためか、自由な感じに展開します。

前半のピアノの演奏部分は、大人の雰囲気を感じる落ち着いた曲調です。オーボエも印象的に使用されています。

曲が進行するにつれ徐々に盛り上がっていき、管弦楽が堂々たる厚みの音を響かせます。その後は、ゆっくりと流れるようなピアノの美しい旋律へと移行。

曲の中盤に差し掛かるあたりで一時的にピアノの音色が強まりますが、その後激しさを増すことはありません。オーボエ(多分)に呼応するかのような感傷的な場面もあります。

ピアノの一音一音が美しいです。後半になると、ピアノから紡ぎだされる音が流れ出し、管弦楽も盛り上がりをみせます。

ピアノの演奏技術をひけらかすような要素はほとんど感じませんが、ピアノの音色が美しく聴こえてくるのが不思議です。

曲が美しいのか?
クリスティアン・ツィマーマンのピアノだから美しいのか?
その両方なのか?

とにかくキレイで心が洗われるような第1楽章です。

■第2楽章【5分26秒】・第3楽章【10分38秒】

第2楽章と第3楽章は、連続して切れ目なく演奏されます。

ピアノが小声でささやくような印象を受けます。管弦楽はゆったりとしていて、ピアノの音色を包み込むかのようです。聴いていて心地よい、のどかさの漂う第2楽章です。

第2楽章のラストからやんわりした盛り上がりを引き継ぐ形で始まる第3楽章。

ピアノの弾けるようような音色が美しい!

管弦楽もこれまでにない表情をみせ、曲全体が単調にならないように工夫されている感じがします。

ピアノの音色が層をなして流れるように響き、管弦楽もドラマチックさを帯びてきます。繊細さを感じながらも、神経質に聴こえないのが印象的です。

ラストは畳みかけるようなピアノとティンパニーがカッコいい!

何と表現したらいいのでしょう?

ある一定の節度を保ちつつ、美しさを追求したかのようなピアノ協奏曲です。派手さは控えめなのですが、ピアノの美しさが際立っています。

だからといって、地味ではないのが不思議です。

わたなびはじめ
わたなびはじめ
シューマンのピアノ協奏曲かぁ。
また、好きな曲が増えたぞ!
シューマン・グリーグ「ピアノ協奏曲」【ツィマーマン】
グリーグ「ピアノ協奏曲」|ツィマーマン(ピアノ)&カラヤン&ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団グリーグ作品を聴くことが増えている今日この頃。カラヤン・ゴールドシリーズ【CD】の中に、クリスティアン・ツィマーマン(ピアノ)とカラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏があったので聴いてみました。ツィマーマンの紹介とともに演奏を聞いた感想をお伝えします。...

まとめ

シューマン「ピアノ協奏曲」
  1. シューマンが完成させた唯一のピアノ協奏曲。
  2. 初演時のピアノソリストは、シューマンの妻クララが担当。
  3. シューマンの「ピアノ協奏曲」は、ピアノがとにかく美しく聴こえる作品。

■関連CDのご案内です。(カラヤン・ゴールドシリーズではありません。)
    

ツィマーマン(ピアノ)、指揮カラヤン、演奏ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によるシューマン/グリーグ「ピアノ協奏曲」です。

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