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J・S・バッハ「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 ニ短調」|ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)

シェリング バッハ「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」_無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 ニ短調 BWV1004
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J・S・バッハが作曲した「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 ニ短調」をヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)で楽しみました。

全6曲で構成されている「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」の4曲目になります。パルティータ第2番は、第1番 ロ短調 BWV1002とは違い「ドゥブル(変奏)」がありません。楽章も1つ多い5楽章編成になっています。

それでは、「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 ニ短調」にまつわるエピソードと個人的な感想をお伝えします。

■バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ(全曲)シェリング

  • ヴァイオリン:ヘンリク・シェリング
  • 2枚組:MONO
  • Sony Music Japan International Inc【SICC840-1】

J・S・バッハ「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 ニ短調」とは

シェリング_バッハ「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」

「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004」は、1720年(享保5年)にJ・S・バッハにより作曲された器楽曲(ヴァイオリン曲)です。この時期のJ・S・バッハは、アンハルト=ケーテン侯国の宮廷楽長を務めていました。

J・S・バッハが作曲した「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」の「パルティータ」については、『無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第1番 ロ短調 BWV1002』でご紹介した内容を画像で置いておきますね。

シェリング_バッハ「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」・パルティータとはシェリング_バッハ「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」・パルティータについて

「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番」は、第1番と違って「ドゥブル(変奏)」が無いことと5楽章編成であることは上述した通りです。第4楽章も「ブレー」ではなく「ジーグ」となっています。

  • ジーグ
    イギリスやアイルランドの民族舞曲のひとつ。リズムは8分の6拍子または8分の9拍子が主流です。
  • シャコンヌ
    「チャッコーナ」や「チャコーナ」とも呼ばれる3拍子の舞曲のひとつ。発祥はスペインの古舞曲。J・S・バッハのシャコンヌは、フランスのシャコンヌとドイツのチャコーナがミックス&発展して醸成された結果の位置づけになります。

「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番」は、「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ(全6曲)」の中で中心的な存在感を持っているだけでなく、最も有名な作品と言えるでしょう。第5章のシャコンヌは他の楽器や管弦楽用に多数編曲されていますし、単独での演奏もされる作品です。

わたなびはじめ
わたなびはじめ
このシャコンヌは超有名だよね!
ブラームスもピアノ用に編曲しているんだ。

J・S・バッハは「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004」を、聴きごたえのある作品に仕上げています。

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わたなびはじめの感想:J・S・バッハ「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 ニ短調」について

シェリング_バッハ「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」

ここからはヘンリク・シェリングが演奏する「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 ニ短調」の感想をお伝えします。
【 】は今回聴いたCDの演奏時間です。

■第1楽章 アルマンド【3分33秒】

不安を感じる始まり。直後から伸びやかでゆったりと歌うように奏でられる旋律が美しいです。

心地よいプレッシャーを含んだやさしい音の波に、度々畳みかけられているような感覚を覚えます。

冷たい印象は全くありませんが、それでいて厳かな雰囲気が伝わってきます。

■第2楽章 クーラント【2分16秒】

情熱的で流麗。短い楽曲の中に、テンポの良さと華やかさを感じます。

聴き心地のよい楽章です。

■第3楽章 サラバンド【4分03秒】

前の2つの楽章とは異なり、憂いを湛える旋律が心を落ち着かせます。

ヴァイオリンの高音の伸びやかな音色が印象的。過度な装飾感はありませんが、そのシンプルさが逆に美しさを引き立てているかのようです。

一人、感傷に浸りたいときにはピッタリかもしれません。

■第4楽章 ジーグ【3分19秒】

ハキハキとした小刻みな音色がテンポよく響きます。程よい疾走感がドラマチックさを生み出している感じです。

この楽曲の中で、アクセントになる楽章と言えるでしょう。

もう少し聞いていたい!と素直に思いました。

■第5楽章 シャコンヌ【14分02秒】

いかにもヴァイオリンの器楽曲的な始まり方です。やさしさや悲しさ、切なさ、心地よさ等を包含したような曲調は魅力的!

音色が階段を昇り降りするようなドラマチックさも兼ね備えています。低音と流麗な高音が絶妙に絡み合って美しいです。

中盤に差し掛かる手前の、ロウソクの炎がゆらゆらと揺れながらも、消えずに灯りをともし続けるような旋律には惹きつけられます。

中盤には落ち着きがさらに増し加わり、そこから次の物語が始まるかのような印象を受けました。急激な展開はありませんが、期待を裏切らない聴き心地の良さを感じます。

終盤には切なる願いにも似た表情がみられ、力強さと決意のような迫力を感じさせます。冒頭部分を思い出させながら終わりを迎えます。

繰り返される短めの低音の主題が表情を変えながら30回ほど登場する変奏曲です。まさに厳かさと壮大さを感じさせる名曲と言えるでしょう。

「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 ニ短調」は、J・S・バッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ(全曲)」の核になる作品だと思います。サラバンドが有名なだけでなく、楽曲構成のバランスがすばらしいです。

ヴァイオリン単体で、これだけの表情を表現できるのかと感動すら覚えます。ひとえにヘンリク・シェリングの技量と楽曲への理解と情熱がそう感じさせるのかもしれません。

私自身を考えると、若い時分にはこの作品の魅力に気が付けなかったのではないかと思ってしまいます。年齢を基準に考えるのは失礼なことかもしれませんが、若い方よりも大人の心に響くような気がします。

月並みな表現になってしまいますが、間違いなく名曲のひとつです。

https://artisticpromenade-hw.com/classical-music/j-s-bach_partita-for-solo-violin-no3-bwv1005/

まとめ

「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ2番」
  1. 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ(6曲)の中でも、中心的な存在感を感じさせる楽曲。
  2. サラバンドは独立して演奏される有名な楽曲。
  3. サラバンドには多くの編曲版が存在する。

■関連CDのご案内です。
    

ヘンリク・シェリングのヴァイオリンによるJ・S・バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲です。

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