当ブログ「わたなびはじめの芸術的散歩道」で、度々ご紹介してきたカラヤン・ゴールドシリーズについてご紹介します。
「2019年(令和元年)大晦日にベートーヴェンの第九を聴いてみた!カラヤン&ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」のなかでも簡単に触れてはいるのですが、この記事ではカラヤン・ゴールドシリーズの一覧表も記載しました。
カラヤン・ゴールドシリーズの、簡単な特徴も付け加えてあります。
カラヤン・ゴールドシリーズとは

カラヤンゴールドシリーズは、1993年(平成5年)~1995年(平成7年)にかけて発売されたCD及びカセットテープのシリーズです。
ヘルベルト・フォン・カラヤンが1980年代に収録した音源を「オリジナル=イメージ・ビット=プロセッシング」という当時の新技術を用いて再現しています。
まさにカラヤンが追求した理想のサウンドだったと言えるでしょう。
オリジナル=イメージ・ビット=プロセッシングとは

オリジナル=イメージ・ビット=プロセッシングとは、ドイツ・グラモフォンのハノーファー・レコーディングセンターが開発した録音システム「4Dオーディオ・レコーディング・システム」に関連して誕生した技術です。
レコーディングは録音装置・技術を用いて行なわれますが、機器を媒介することで音の変化が発生してしまいます。
オリジナル=イメージ・ビット=プロセッシングは、レコーディングの際に生じてしまう音の変化を可能な限りゼロに近づけようとするものです。
ヘルベルト・フォン・カラヤンが亡くなった後、80年代にデジタル録音された音源を新たにミックスダウンして作られたのが、「カラヤン・ゴールドシリーズ」です。
そしてリミックスを担当したのは、約30年にわたって録音を担当していたギュンター・ヘルスマン氏。ヘルスマン氏に対するカラヤンの信頼は絶大なものだったと言われています。
このシリーズにおいてオリジナル=イメージ・ビット=プロセッシングは、カラヤンの理想のサウンドを楽しむための技術といってもいいでしょう。
カラヤン・ゴールドシリーズ「国内盤」だけの特徴

カラヤン・ゴールドシリーズは日本以外でも発売されていました。しかし、日本国内盤だけに与えられた仕様面での特徴があります。
その特徴とは、「99.999%、ピュア・ゴールドCD」仕様ということです。
金を蒸着することで、より高音質を追求しています。
カラヤン・ゴールドシリーズ一覧

■カラヤン・ゴールドシリーズ(第1弾)1993年05月26日リリース【全20タイトル】
商品番号 | タイトル | 指揮&演奏 |
POCG-9350 | ベートーヴェン:交響曲第9番≪合唱≫ | カラヤン/ベルリン・フィル |
POCG-9351 | ベートーヴェン:交響曲第5番≪運命≫/第6番≪田園≫ | カラヤン/ベルリン・フィル |
POCG-9352 | ベートーヴェン:交響曲第3番≪英雄≫/エグモント序曲 | カラヤン/ベルリン・フィル |
POCG-9353 | ドヴォルザーク:交響曲第9番≪新世界≫ スメタナ:交響詩≪モルダウ≫ |
カラヤン/ウィーン・フィル |
POCG-9354 | チャイコフスキー:交響曲第6番≪悲愴≫ | カラヤン/ウィーン・フィル |
POCG-9355 | ホルスト:組曲≪惑星≫ | カラヤン/ベルリン・フィル |
POCG-9356 | ラヴェル:ボレロ/スペイン狂詩曲 ムソルグスキー:組曲≪展覧会の絵≫ |
カラヤン/ベルリン・フィル |
POCG-9357 | R.シュトラウス:交響詩≪ドン・ファン≫/交響詩≪ツァラトゥストラはかく語りき≫ | カラヤン/ベルリン・フィル |
POCG-9358 | グリーグ:ペール・ギュント第1・2組曲ほか シベリウス:フィンランディアほか |
カラヤン/ベルリン・フィル |
POCG-9359 | シューマン:ピアノ協奏曲 グリーグ:ピアノ協奏曲 |
ツィマーマン BPO カラヤン |
POCG-9360 | ベートーヴェン:交響曲第4・7番 | カラヤン/ベルリン・フィル |
POCG-9361 | ベートーヴェン:交響曲8第/序曲≪コリオラン≫ほか | カラヤン/ベルリン・フィル |
POCG-9362 | ベートーヴェン:交響曲第1・2番 | カラヤン/ベルリン・フィル |
POCG-9363 | チャイコフスキー:交響曲第5番 | カラヤン/ウィーン・フィル |
POCG-9364 | チャイコフスキー:交響曲第4番 | カラヤン/ウィーン・フィル |
POCG-9365 | サン=サーンス:交響曲第3番≪オルガン付き≫ | カラヤン/ベルリン・フィル |
POCG-9366 | R.シュトラウス:アルプス交響曲 | カラヤン/ベルリン・フィル |
POCG-9367 | ブラームス:ヴァイオリン協奏曲/二重協奏曲 | ムター メネセス BPO カラヤン |
POCG-9368 | ドビュッシー:交響詩≪海≫/牧神 ラヴェル:≪ダフニスとクロエ≫ほか |
カラヤン/ベルリン・フィル |
POCG-9369 | モーツァルト:大ミサ曲ハ短調 K.427 | カラヤン/ベルリン・フィル |
■カラヤン・ゴールドシリーズ 1993年10月25日リリース【全1タイトル】
商品番号 | タイトル | 指揮&演奏 |
POCG-9400/2 POCG-9403/5 |
ベートーヴェン:交響曲全集(第1番-第9番) ≪エグモント≫序曲 ≪コリオラン≫序曲 歌劇≪フィデリオ≫序曲 ≪レオノーレ≫序曲 第3番 |
ペリー バルツァ コウル ダム ウィーン楽友協会合唱団 BPO カラヤン |
■カラヤン・ゴールドシリーズ(第2弾)1994年10月26日リリース【全5タイトル】
商品番号 | タイトル | 指揮&演奏 |
POCG-9509 | チャイコフスキー:幻想序曲≪ロメオとジュリエット≫/バレエ組曲≪くるみ割り人形≫ | カラヤン/ベルリン・フィル |
POCG-9510 | ワーグナー:管弦楽作品集 | カラヤン/ベルリン・フィル |
POCG-9511 | モーツァルト:レクイエム ニ短調 | カラヤン/ウィーン・フィル |
POCG-9512/3 | マーラー:交響曲第9番 | カラヤン/ベルリン・フィル |
POCG-9514 | R.シュトラウス:交響詩≪ドン・キホーテ≫ほか | カラヤン/ベルリン・フィル |
■カラヤン・ゴールドシリーズ(第3弾)1996年01月25日リリース【全5タイトル】
商品番号 | タイトル | 指揮&演奏 |
POCG-9771 | ブルックナー:交響曲第7番 | カラヤン/ウィーン・フィル |
POCG-9772 | R.シュトラスス:交響詩≪英雄の生涯≫≪死と浄化≫ | カラヤン/ベルリン・フィル |
POCG-9773 | ハイドン:交響曲第94番≪驚愕≫/交響曲第101番≪時計≫ | カラヤン/ベルリン・フィル |
POCG-9774 | ショスタコーヴィチ:交響曲第10番 | カラヤン/ベルリン・フィル |
POCG-9775/6 | ヴェルディ:レクイエム | カラヤン/ウィーン・フィル |
わたなびはじめとカラヤン・ゴールドシリーズ

私がカラヤン・ゴールドシリーズを知った経緯は、「2019年(令和元年)大晦日にベートーヴェンの第九を聴いてみた!カラヤン&ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」の記事中で簡単に紹介しました。
カラヤン・ゴールドシリーズのCDをコレクションし始めた当初は、「ピュア・ゴールド(金蒸着)CD」仕様が日本国内盤だけとは知らず、値段の安かった輸入盤のカラヤン・ゴールドシリーズから購入しました。
ケースを開けてゴールドではないことにビックリ!それ以降は、国内盤にターゲットを絞り込みました。
カラヤン・ゴールドシリーズが発売されて25年以上経過している現在、録音作品の高音質化を実現する技術は「ハイレゾ」をはじめとしてさらに向上しています。
CDではカットされていた(収まりきらなかった)音情報も含んでいるため、よりリアルなサウンドを堪能できるわけなんだ。
このようなクリアかつ繊細で奥行き感のある音で耳が鳴れている方にとって、「カラヤン・ゴールドシリーズ」は時代遅れの録音作品なのかもしれません。
しかし私にとっては宝物です。もしかすると、古いモノにも価値を感じる性格が影響しているのかもしれません。
経済力が潤沢ならば最高の音源と再生機器を手に入れ続けることもできるのでしょうが、私には現実的ではありません。
全てを手に入れられるわけではないのが人生であるならば、自分に許される範囲で楽しみを見つけることは貴重な才能なのかもしれません。
今でも中古レコード・CDを購入して楽しんでいますが、カラヤン・ゴールドシリーズを探していた期間はお宝と巡り合える楽しみを味わっていた「ワクワクする時間」だったと思います。
中古品ではありましたが、カラヤン・ゴールドシリーズをコンプリートできたときは「ひとつの節目」を迎えた気がして満足したものです。
これからも当ブログで、カラヤン・ゴールドシリーズを聴いた感想をご紹介していく予定です。
ご興味があれば、中古CDショップやインターネットなどで探してみてはいかがでしょうか?
まとめ
- カラヤン・ゴールドシリーズ国内盤は金蒸着仕様!
- カラヤンの80年代のデジタル録音作品を楽しめる!
- 音楽ダウンロードが普通の世代には古い感じがするかも?